補助人の権限とは

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はじめに

成年後見制度には、「後見」「保佐」「補助」の3つの類型がありますが、それぞれにおいて、どのような権限が付与されるかが異なります。特に補助人の権限については、制度の理解が重要です。ここでは、補助人に関する権限について、よくある質問とその解答を通じて解説します。

Q&A

Q1:補助人にはどのような権限が与えられますか?

補助人の権限は、被補助人が一定の法律行為を行う際に必要な同意権と取消権に限られます。同意権は、家庭裁判所が指定した行為について補助人の同意が必要であり、もし同意が得られない場合には、その行為を取り消すことができます。これらの権限は、民法第16条1項および第4項で規定されています。

Q2:「一定の法律行為」とは何ですか?

補助人が同意を必要とする「一定の法律行為」は、民法第13条1項に列挙された行為です。ただし、保佐人がすべての行為に対して同意が必要とされるのに対し、補助人の場合は、家庭裁判所が特に指定した行為に限り同意が求められます。

Q3:補助人に「代理権」はありますか?

補助人には、自動的に代理権が付与されるわけではありません。ただし、家庭裁判所に申立てを行い、特定の法律行為について代理権が与えられることがあります。この代理権の付与は、保佐人の場合と同様に民法第876条の9に基づいて行われます。

Q4:「特定の法律行為」とは、民法第13条1項に掲げられた行為のことですか?

いいえ、違います。「特定の法律行為」とは、民法第13条1項に限定されず、家庭裁判所が判断した行為全般を指します。このため、幅広い法律行為が補助人による代理の対象となり得ます。

解説

補助制度は、後見や保佐制度と比較して柔軟性が高い点が特徴です。補助人に求められる権限は、被補助人が自分で行える行為を残しつつ、家庭裁判所が判断した重要な行為について補助人の関与を必要とする仕組みです。被補助人が自分の意思で可能な限りの行為を行うことを前提に、補助人の役割が調整されます。

また、補助人が代理権を持つ場合でも、それは特定の法律行為に限定されており、代理権を行使する際には、家庭裁判所の判断が介在します。このように、補助制度は、本人の自主性を尊重しつつ、法律上の安全性を確保するバランスが取られています。

弁護士に相談するメリット

補助人の権限や手続は法律的に複雑なため、適切な手続きを進めるためには専門家である弁護士のアドバイスが重要です。弁護士法人長瀬総合法律事務所では、補助制度に精通した弁護士が、申立てや家庭裁判所とのやり取りをサポートし、最適な解決策を提案します。特に、以下のような場面で弁護士への相談が役立ちます。

  • 被補助人の権利保護のための申立て
  • 同意権や代理権の適用範囲の確認
  • 家庭裁判所への申請手続

弁護士に相談することで、複雑な手続きを正確かつ迅速に進めることができ、被補助人の利益を最大限に守ることが可能になります。

まとめ

補助制度は、被補助人の自主性を尊重しつつ、重要な法律行為に対して補助人の関与を求める制度です。補助人の権限は、同意権や取消権に加え、必要に応じて代理権が付与されることがありますが、これらの権限は家庭裁判所の判断に基づきます。補助制度に関する手続を正しく理解し、円滑に進めるためには、弁護士のサポートが重要です。


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