相談前の状況
依頼者は、被相続人である母の遺産相続について相談に訪れました。母が亡くなった後、遺産の内容を確認する中で、母が多額の損害賠償請求を受ける可能性があることが明らかになりました。この請求は母の生前の行為に基づくものであり、依頼者はこの負債を引き継ぐことを非常に不安に感じていました。
依頼者は、相続を受けるべき財産がほとんどないのではないかという感覚を持ちながらも、詳細な確認が必要だと考え、法律事務所に相談に来られました。特に、相続を放棄すべきかどうかの判断をお悩みになっていました。
相談後の対応
相談を受けた弁護士は、まず被相続人である母の財産状況を正確に把握するために財産調査を行いました。その結果、被相続人である母の主な財産は、生前にすでに夫である父名義に移転されており、被相続人の名義に残された財産はほとんど存在しないことが判明しました。
また、損害賠償請求のリスクについても検討を行い、被相続人が損害賠償を受ける可能性が高い場合であっても、相続放棄をすることでそのリスクを回避できることが確認されました。さらに、財産がほとんど残されていないことから、相続を放棄するリスクも低いことが明らかになりました。
これらの調査結果と法的助言をもとに、依頼者は相続放棄を決断。弁護士は速やかに相続放棄の申立て手続きを行いました。結果として、依頼者は母の遺産を一切相続しないことになり、損害賠償請求のリスクからも解放されました。
担当弁護士からのコメント
今回の事例では、被相続人が多額の損害賠償請求を受けるリスクが存在する中で、相続放棄を選択したことにより、依頼者の財産が守られた点が重要です。相続放棄は、財産を相続しないだけでなく、負債も引き継がないという大きなメリットがあります。しかしながら、相続放棄を決断するには、財産調査を含めた十分な準備と正確な法的知識が不可欠です。
今回のように、被相続人の財産状況や負債のリスクが不明確な場合には、まず専門家に相談し、正確な情報をもとに判断することが大切です。相続放棄は一定期間内に申請しなければならないため、迅速な対応が求められます。
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