はじめに
Q:親が亡くなり相続手続を始めたいのですが、何から手を付ければ良いですか?
A:相続手続は複雑に思えますが、基本的な流れを押さえればスムーズに進めることができます。本記事では、相続手続の基本的な流れと、それぞれの段階での留意点を解説します。
相続手続の基本的な流れ
相続手続は、以下の基本的なステップに沿って進めます。
- 被相続人の死亡確認と死亡届の提出
まず、役所に死亡届を提出し、埋葬許可証を取得します。これが手続の出発点です。 - 遺言書の有無を確認
遺言書があれば、その内容に基づいて手続を進めます。自筆証書遺言の場合、家庭裁判所での検認が必要です。 - 相続人の確定
被相続人の戸籍謄本を遡って取得し、法定相続人を確定します。 - 相続財産の調査
不動産や預貯金、株式、負債など、被相続人が所有していた財産の種類と内容を確認します。 - 遺産分割協議の実施
相続人全員で遺産分割協議を行い、分割方法を決定します。 - 相続税の申告と納付
相続税が課される場合、被相続人の死亡から10か月以内に申告と納付を行います。 - 各種名義変更手続
不動産の登記変更、預貯金の解約・名義変更などを行います。
各手続における留意点
1.遺言書の確認
遺言書が発見された場合、特に注意が必要です。遺言書の形式が適切でないと無効になる可能性があります。
2.相続人の確定
相続人の確定には戸籍謄本が不可欠です。特に、法定相続人以外に認知された子供がいる場合や離婚歴がある場合、相続人関係が複雑化します。
3.相続財産の調査
相続財産にはプラスの財産(不動産、預貯金など)だけでなく、マイナスの財産(借金など)も含まれます。相続放棄や限定承認を検討する場合、3か月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。
4.遺産分割協議
相続人全員の合意が必要です。一人でも合意しない場合、協議は成立しません。この場合、調停や審判といった法的手段に進むことになります。
5.相続税の申告
相続税の基礎控除額は、「3,000万円+(法定相続人の数×600万円)」です。この額を超える場合は申告が必要となります。
弁護士に相談するメリット
相続手続を進める中で、以下のような場面で弁護士のサポートが役立ちます。
1.法的知識に基づく適切な対応
遺言書の有効性や法定相続分の確認、遺留分減殺請求など、専門知識が必要な場面で適切なアドバイスが受けられます。
2.トラブルの回避と解決
遺産分割協議での意見対立や他の相続人との交渉など、感情的になりがちな問題を中立的な立場で対応できます。
3.手続の迅速化
煩雑な戸籍収集や財産調査、書類作成を代行し、手続をスムーズに進めます。
まとめ
相続手続は、被相続人の死亡確認から始まり、遺言書の確認、相続人の確定、財産の調査、遺産分割協議、相続税申告、名義変更へと続きます。それぞれのステップで法律や期限に関する注意が必要です。
弁護士法人長瀬総合法律事務所では、相続手続に関するご相談を承り、専門知識を活かして適切なサポートを提供いたします。手続が煩雑でお困りの方や、トラブルを未然に防ぎたい方は、ぜひ当事務所にご相談ください。
相続問題について解説した動画を公開しています
相続問題にお悩みの方はこちらの動画もご参照ください。
初回無料|お問い合わせはお気軽に
その他のコラムはこちら