多額の預貯金引き出しが発覚したものの、遺産分割協議によって円満に解決した事例

Home » 解決事例 » 多額の預貯金引き出しが発覚したものの、遺産分割協議によって円満に解決した事例

相談前の状況 

依頼者は、3人の兄弟姉妹のうちの1人として、母親が亡くなったことをきっかけに相続手続きを進めることとなりました。相続人は依頼者を含めた3人の子供であり、特に遺言書は存在しなかったため、通常の遺産分割協議によって財産の分配を進める予定でした。

ところが、遺産の内容を確認していく中で、母親が生前に管理していた多額の預貯金が一部引き出されていることが判明しました。調査の結果、相続人のうちの1人が被相続人(母)の死亡前にこの預貯金を引き出していたことが確認されました。引き出された金額はかなりの額に上り、その扱いを巡って相続人間で大きな対立が生じました。

依頼者としては、この引き出された預貯金を相続財産に含めるべきだと主張していましたが、引き出した姉妹は「母親の生活費として使用していた」などと反論し、双方の意見が対立して話し合いが難航する状況でした。このままでは相続手続きが遅延し、家族間の関係も悪化することが懸念されたため、依頼者は当事務所に遺産分割協議の代理人として対応を依頼しました。

相談後の対応 

当事務所では、まず依頼者からのヒアリングを基に、相続人全員の意見や感情を整理しました。そして、被相続人の生前に預貯金が引き出された経緯やその使用目的について、できる限り事実関係を確認するため、各相続人との協議を進めました。

特に問題となったのは、引き出された預貯金の扱いです。法的には、被相続人が生前に管理していた預貯金が相続財産に含まれるかどうかは、使用目的や引き出しの時期によって異なるため、慎重な対応が求められました。

我々は、依頼者の意向を尊重しつつ、他の相続人との関係が破綻しないように調整を図りました。最終的に、引き出された預貯金の一部を相続財産として扱い、その分を加味した遺産分割協議を進めることを提案しました。

具体的には、既に引き出されている金額が全額相続財産に戻ることは困難であるものの、現時点で存在する他の相続財産を依頼者が多めに取得するという内容で遺産分割協議を進めました。この提案は、全ての相続人が納得する形であり、相続争いを長期化させることなく、早期に解決することができました。

結果として、依頼者は他の相続人に対して無理な要求をすることなく、公平な分配を実現する形で問題を解決することができました。また、家族関係の破綻も避けることができ、相続手続きは無事に完了しました。

担当弁護士からのコメント 

本件は、相続人の1人が被相続人の生前に多額の預貯金を引き出していたことが発端となり、相続人間で争いが生じた事例でした。このような状況では、感情的な対立が激化し、相続手続きが進まなくなることが少なくありません。しかし、今回のケースでは、相続人全員が冷静に話し合いに応じ、法的な観点だけでなく、家族としての関係も重視した解決策を取ることができました。

特に、相続問題は感情が絡みやすく、長引くと家族関係に大きな影響を及ぼすことがあります。遺産分割協議を進める際には、法律の範囲内で各相続人の立場や感情を考慮し、適切な調整を行うことが重要です。

今回のケースのように、弁護士が仲介することで、相続人間の関係を守りながら円満に解決できることがあります。相続に関する問題でお悩みの方は、ぜひ早めに専門家にご相談いただくこともご検討ください。


初回無料|お問い合わせはお気軽に

その他の解決事例はこちら

keyboard_arrow_up

0298756812 LINEで予約 問い合わせ