【解決事例】遺言書があっても油断は禁物?相続人間で遺留分をめぐるトラブルが発生。弁護士の介入により円満解決

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概要

「全財産を特定の相続人に相続させる」という内容の遺言書が見つかったものの、他の相続人から「遺留分」を主張され、相続トラブルに発展するケースは少なくありません。本事例では、亡くなられたお父様が作成した自筆証書遺言により、ご相談者様が多くの財産を相続することになりました。しかし、他のご兄弟姉妹から遺留分を請求され、当事者間での話し合いが難航。精神的にも大きな負担を抱えていたところ、当事務所にご相談いただき、弁護士が代理人として交渉を行いました。その結果、各相続人の遺留分に配慮した解決案で合意に至り、円満な解決を実現することができました。

相談までの経緯

ご相談者A子さんは、数ヶ月前にお父様を亡くされました。その後、お父様が生前に作成された自筆証書遺言が見つかり、その内容は「A子さんに全財産を相続させる」というものでした。A子さんは、長年お父様の身の回りのお世話をしてきたこともあり、お父様がそのように考えてくれていたことに感謝の念を抱きました。

しかし、遺言書の検認手続きを終えた頃から、他の相続人であるA子さんのご兄弟姉妹の一部(B氏、C氏)から、遺言の内容に対する不満の声が上がり始めました。「自分たちにも相続する権利があるはずだ」「あまりにも不公平ではないか」といった内容の連絡が頻繁に来るようになり、A子さんはどう対応して良いか分からず、困惑されていました。

特にB氏からは、過去の些細な出来事を持ち出してはA子さんを非難するような連絡が続き、A子さんは精神的に追い詰められていきました。遺産分割協議を進めようにも、感情的な対立が深まるばかりで、話し合いは平行線をたどる一方でした。「このままでは、家族関係が壊れてしまうかもしれない…」そう感じたA子さんは、ご自身で対応することの限界を感じ、法律の専門家である弁護士に相談することを決意。当事務所へお越しになりました。

弁護士の対応

A子さんから詳しいお話を伺い、弁護士はまず、相続関係の整理から着手しました。お父様の法定相続人、遺言書の有効性、そして相続財産の内容を詳細に確認しました。その上で、B氏とC氏が主張する「遺留分」について法的な観点から検討しました。

遺留分とは、兄弟姉妹を除く法定相続人に法律上保障されている最低限の遺産の取り分のことです。今回のケースでは、お父様の遺言はB氏とC氏の遺留分を侵害している可能性が高いと判断されました。

弁護士はA子さんの代理人として、B氏とC氏に対し、遺留分を尊重する意向であること、そして具体的な金額について協議したい旨を丁寧に伝えました。当初、感情的になっていたB氏も、弁護士が間に入ったことで冷静さを取り戻し、法的な根拠に基づいた話し合いに応じる姿勢を見せ始めました。

交渉においては、まず、お父様の相続財産を正確に評価し、それに基づいて各相続人の遺留分の具体的な金額を算出しました。その上で、A子さんのご意向も踏まえつつ、B氏とC氏それぞれに対して、遺留分侵害額に相当する金銭をお支払いするという解決案を提示しました。

交渉の過程では、単に法律論を押し通すのではなく、A子さんのお気持ちや、今後のご兄弟姉妹との関係性にも配慮し、双方にとって納得のいく着地点を見出すことを重視しました。粘り強い交渉の結果、最終的にB氏、C氏ともに弁護士が提示した解決案に同意し、遺留分に関する合意書を取り交わす運びとなりました。

結果

弁護士がA子さんの代理人としてB氏およびC氏と交渉を行った結果、A子さんがB氏とC氏に対し、それぞれ遺留分侵害額に相当する金銭を支払うことで合意が成立しました。

合意内容を記した書面(遺留分に関する合意書)を正式に取り交わし、A子さんは指定された期日までに金銭の支払いを完了。これにより、本件相続に関する紛争は円満に解決し、A子さんは長らく悩まされていた精神的な負担から解放されました。

当初は感情的な対立から話し合いが進まなかった状況でしたが、弁護士が介入し、法的な観点から冷静に交渉を進めたことで、ご兄弟姉妹との関係を決定的に悪化させることなく、問題を解決することができました。

弁護士のコメント

今回のケースのように、特定の相続人に多くの財産を相続させる内容の遺言書がある場合でも、他の相続人には遺留分が保障されているため、相続トラブルに発展することがあります。遺言書があるからといって、必ずしもその内容通りに相続手続きが進むとは限らないのです。

遺留分を請求する権利を持つ相続人は、遺留分が侵害されていることを知った時から1年以内にその権利を行使する必要があります。もし、遺留分を主張されたにもかかわらず、話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所での調停や訴訟に移行する可能性もあります。

相続に関する問題は、法律的な知識だけでなく、感情的な側面も複雑に絡み合うことが多いため、当事者同士での解決が難しい場合があります。特に、親族間での争いは精神的な負担も大きく、関係性が悪化してしまうと、その後の修復が困難になることも少なくありません。

相続に関するお悩みや、遺留分に関するトラブルでお困りの際は、できるだけ早い段階で弁護士にご相談いただくことをお勧めします。弁護士が間に入ることで、法的な観点から問題を整理し、冷静な話し合いを進めることができます。また、相手方との直接のやり取りを弁護士に任せることで、ご依頼者様の精神的な負担を軽減することも可能です。

当事務所では、ご依頼者様のお気持ちに寄り添いながら、最善の解決策をご提案できるよう努めております。相続問題でお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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