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死後事務委任契約の概要とメリット
はじめに
「自身が亡くなった後の手続きは誰が行うのか」「遺品整理や葬儀、役所での手続きまで誰にお願いすればいいのか」――特に身寄りが少ない方や親族が遠方にいる場合、死後の事務を誰に任せるかは大きな不安要素となります。そこで注目されているのが、「死後事務委任契約」という制度です。
死後事務委任契約は、生前に自分の死後の諸手続きを第三者に委任しておくことで、遺品整理、公共料金の精算、各種役所手続きなどをスムーズに行える仕組みです。本記事では、その概要とメリットを中心に解説し、どのような方に有用かを示します。
Q&A
Q1. 死後事務委任契約とは何ですか?
自分の死後に必要な諸手続きを、生前に委任契約として公正証書(または私署証書)などで取り決める制度です。たとえば、葬儀や埋葬、遺品整理、役所手続き、各種解約手続きを誰が、どのように行うかをあらかじめ決めておけます。
Q2. 遺言書との違いは何でしょう?
遺言書は遺産の分配や相続人への指示が主な内容で、法的効力が強く、財産の処分を規定するものです。一方、死後事務委任契約は「自分の死後の実務的な手続き」を委任する契約であり、葬儀や役所への届出など財産分配以外の事務を対象とします。
Q3. 親族や友人ではなく、専門家に依頼するメリットは?
専門家に依頼すれば、手続きのミスや漏れを防ぎ、安心感があります。たとえば、弁護士や司法書士に委任しておけば、法律知識を踏まえた上で確実に処理してもらえます。また、親族がいない・親族に迷惑をかけたくない方も利用するメリットが大きいです。
Q4. 死後事務委任契約のデメリットや注意点はありますか?
- 契約は生前にしか結べない(死亡後に締結は不可能)
- 委任者が亡くなった後は報酬トラブルが起こりやすい(事前に報酬支払い方法を明確に)
- 遺産の分配権限はない(財産処分は遺言書でカバーする必要がある)
解説
死後事務委任契約でできること
- 葬儀や埋葬方法の指定・実行
火葬や納骨先、宗教儀式の有無などの希望を事前に定め、契約先が手配 - 遺体や遺品の整理・処分
賃貸契約の解約、遺品の廃棄、形見分けなど、詳細な実務を委任 - 役所への届出や手続き
住民票の抹消、健康保険や年金の停止、各種公共料金やクレジットカードの解約 - デジタル遺品の処理
SNSやインターネットサービスのアカウント削除など、近年増えているニーズ
死後事務委任契約のメリット
- 本人の希望が確実に尊重される
生前に葬儀の形式や遺品整理の方針を詳細に決められる - 親族や知人の負担軽減
遠方に住む家族や高齢の親族が大変な手続きを負わずに済む - 安心感
一人暮らしの場合でも、亡くなった後の手続きをきちんとお願いできる - 遺言書と組み合わせ
財産分配は遺言書で、死後の実務は死後事務委任で、といった明確な住み分けが可能
契約の結び方と注意点
- 契約内容の明確化
葬儀費用の支払い方法、銀行口座の相続人への引き渡し手続きなどを具体的に記載 - 報酬と費用負担の取り決め
遺産から支払うのか、生前にデポジットとして預託するのかを明示 - 公正証書での作成が推奨
私署証書でも成立するが、公正証書のほうが証拠力や信頼性が高い - 委任先の選択
親族、友人、専門家(弁護士・司法書士)などから信頼できる相手を選ぶ
事前に知っておきたい法的背景
- 委任契約は原則、委任者が死亡すると終了
死後事務委任契約では、あえて死後も続行する旨を特約で定める - 遺産管理権限は含まれない
相続財産の分配や処分はできず、あくまで死後の事務手続きのみ - 他の相続人との調整
死後事務委任契約があるからといって、相続人が無視されるわけではない。必要な連絡を行う義務はある
弁護士に相談するメリット
- 契約書作成・チェック
どこまでの権限を委任するか、法的に妥当な条項を整備しトラブルを防止 - 公正証書化のサポート
公証人とのやり取りを代理し、書類不備や手続きを漏れなく進める - 死後の実務執行も可
弁護士が受任者となれば、法律専門家として確実に死後の事務を処理 - 相続・遺言との連携
遺言書や遺産分割協議と矛盾しないよう調整し、一貫した法的対策を構築
まとめ
死後事務委任契約は、亡くなった後の煩雑な手続きを生前に委任することで、本人の希望を反映しつつ、周囲の負担を減らせる制度です。以下の点を押さえましょう。
- 死後事務委任契約は遺言書と役割が異なる(財産分配は遺言書、死後の手続きは委任契約)
- 公正証書での締結が安心
- 報酬や費用の扱い、委任者が亡くなった後の資金の手当てを明確化
- 専門家(弁護士等)を受任者にするとトラブルリスク低減
一人暮らしで親族が遠方に住んでいる方や、親族に負担をかけたくない方などには有用な仕組みです。具体的な内容や書類作成で悩んだら、弁護士法人長瀬総合法律事務所までご相談ください。
解説動画のご紹介
「死後事務委任契約の概要とメリット」をさらに詳しく解説した動画を公開しています。葬儀・埋葬方法の指定や遺品整理、役所手続きなどの具体例を交えながら、契約の流れをわかりやすく説明していますので、ぜひご覧ください。
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事業承継に必要な書類とその作成方法
はじめに
事業承継を円滑に進めるためには、後継者選定や株式移転の計画だけでなく、必要な書類をきちんと揃え、法的に整合性のある状態を作り上げることが重要です。特に非上場企業では、株主間契約や事業承継契約、遺言書などの整備がないまま承継を行い、後からトラブルになるケースも少なくありません。
本記事では、事業承継に必要な書類をリストアップし、作成・取得方法と注意点を解説します。会社規模や承継方式(親族内承継、M&A等)によって必要書類は異なりますが、基本的なポイントを押さえて計画を滞りなく進めましょう。
Q&A
Q1. 事業承継に必要な主な書類は何ですか?
大まかには、
- 会社法関連: 定款、株主名簿、株主総会議事録、取締役会議事録など
- 契約書関連: 株式譲渡契約、事業承継契約、株主間契約、秘密保持契約など
- 相続・税務関連: 遺言書、遺産分割協議書、相続税申告書、事業承継税制の適用申請書など
- 労務・取引先関連: 就業規則、雇用契約書、取引契約書、保証契約書など
- 各種登記・許認可書類: 代表取締役変更登記、許認可の変更手続きなど
Q2. 株主間契約や事業承継契約は必須ですか?
法的に必須ではありませんが、後継者への経営権集中や他の株主との関係を明確化し、将来の紛争を防止するために有効です。特に親族間や複数の株主がいる場合は契約書を結ぶメリットが大きいです。
Q43 弁護士はどのように書類作成を手伝ってくれますか?
弁護士は、会社法や相続法などの法的観点から、契約書や議事録のドラフトを作成し、不備がないかチェックします。株主間での合意事項を反映し、トラブルを未然に防ぐ明確な書面を整えることができます。
解説
会社法関連書類
- 定款
会社の基本ルール。事業承継を機に事業目的や株式譲渡制限、取締役構成などを見直すことが多い - 株主名簿・議事録
株主総会や取締役会の決議で代表取締役変更、取締役選任などを確定し、その議事録を登記申請時に添付 - 登記申請書
代表取締役交代、商号・本店移転などの変更がある場合に法務局に提出
契約書関連
- 株式譲渡契約書
後継者へ株式を売買または贈与する際の価格や支払い方法などを定める - 事業承継契約
後継者が引き継ぐ業務範囲やノウハウ移転、競業避止義務などを包括的に規定 - 株主間契約
他の株主との間で経営権をどう扱うか、議決権行使の制限、配当方針などを取り決める
相続・税務関連書類
- 遺言書
親族内承継の場合、株式の集中や他の相続人への配慮を明文化 - 遺産分割協議書
相続人が複数いる場合、株式分配や代償金の支払いなどを定める - 相続税申告書
相続税の期限(死亡から10カ月以内)を守り、必要添付書類(株式評価資料など)を整理 - 事業承継税制の適用申請書
中小企業の納税猶予を利用する場合、計画認定書や雇用維持報告書なども求められる
労務・取引先関連書類
- 就業規則・雇用契約書
後継者就任で組織再編が起きる場合、労働条件変更に関わる規定を整える - 取引契約書の変更
代表者変更や保証人変更が必要となる契約を再締結する場合がある - 金融機関との契約書
融資、根保証、抵当権設定など、代表交代に伴う変更や連帯保証人の切り替え
弁護士に相談するメリット
- 書類の一元管理と作成サポート
株式譲渡契約、遺産分割協議書、株主間契約、就業規則変更など、一括でリーガルチェック - 法令遵守と不備の防止
会社法・相続法・税法など多角的な視点で規定を整え、後からの無効リスクを最小化 - 紛争予防
親族間や従業員との間でのトラブルが発生しそうな場合、事前に契約書へ盛り込む条項を設計 - スムーズな登記手続きと税務連携
代表取締役変更登記、事業承継税制の書類整備などを税理士と連携し、効率的に進行
まとめ
事業承継に必要な書類は、会社法関連(定款・議事録など)、契約書関連(株式譲渡契約・事業承継契約)、相続・税務関連(遺言書・相続税申告書・事業承継税制書類)、労務・取引先関連(就業規則・取引契約書)など多岐にわたります。以下の点を意識して進めましょう。
- 必要書類をリストアップし、時系列で作成・取得
- 株主・親族・従業員・取引先を対象に、それぞれの合意形成や書類整備を念入りに
- 法的リスクを見落とさないため、弁護士に早めに相談して書類をチェック
- 税理士など他士業と連携し、相続税・事業承継税制のメリットも活用
後継者や社員が安心して業務を引き継げるよう、十分な書類整備を心がけましょう。トラブルを未然に防ぐためにも、ぜひ弁護士法人長瀬総合法律事務所へご相談ください。
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中小企業の事業承継における法的注意点
はじめに
中小企業が事業承継を行う際、会社法や相続法、税法など多くの法律が絡むため、不注意によるトラブルや税負担が後々大きな痛手になることがあります。特に、非上場会社の株式評価や親族間の遺留分問題、労務管理といった論点は注意が必要です。
本記事では、中小企業の事業承継で押さえるべき法的注意点をまとめ、リスク回避やスムーズな承継に向けたポイントを解説します。会社の未来を担う重要な局面で、法的な落とし穴に陥らないようにしましょう。
Q&A
Q1. 中小企業の事業承継で特に注意すべき法的ポイントは何ですか?
- 株式の譲渡制限や議決権の確保(会社法)
- 相続税・贈与税の申告と事業承継税制(税法)
- 遺留分や相続人間の調整(相続法)
- 雇用契約・就業規則(労働法)
- 取締役変更登記や取引先との契約更新(商法・会社法関連)
Q2. 株式の議決権確保が重要なのはなぜですか?
経営を安定させるには、後継者が過半数以上の議決権を握るか、株主間契約で経営方針を合意しておく必要があります。株式が分散すると意思決定が滞り、経営上の重大事項がスムーズに決まらないリスクが高まります。
Q3. 親族内承継と親族外承継で法的対応は違いますか?
はい、親族内承継では相続税や遺留分問題が大きなテーマに。親族外承継(M&Aや従業員承継)では株式譲渡契約や労務管理、競業避止義務などが焦点となります。弁護士がケースに応じて最適な契約や手続きを提案するのが一般的です。
Q4. 遺言書は必要なのでしょうか?
多くの中小企業では、会社株式が最大の遺産となり、これが円滑に後継者へ移転しないと事業が揺らぎます。遺言書で後継者に株式を集中させる、あるいは他の相続人への代償措置を明記するなどの対策が効果的です。
解説
株式譲渡制限と会社法対応
- 譲渡制限株式の設定
- 中小企業の定款では、他人への株式譲渡を制限するケースが多い
- 後継者への譲渡をスムーズに行うため、制限内容を見直す・緩和する場合も
- 株主総会決議・取締役会決議
- 後継者が取締役や代表取締役に就任するには、適切な株主総会・取締役会決議が必要
- 株主間契約
- 兄弟や親族が株主となる場合、議決権の行使方法や株式譲渡条件を契約で定める
相続税・贈与税と事業承継税制
- 自社株評価
- 非上場株式は類似業種比準方式や純資産方式で評価し、相続税負担が高額になることも
- 事業承継税制
- 中小企業庁が運営する納税猶予・免除の特例を活用可能かを検討
- 要件(雇用維持、代表者継続など)を満たす必要がある
- 贈与・遺言書の活用
- 生前贈与で株式を移転し、相続時の負担を軽減
- 遺留分に注意しつつ、遺言書で後継者に株式を集中させるプランを構築
遺留分や親族間調整
- 遺留分侵害リスク
後継者に株式を偏重すると、他の相続人が遺留分を請求し、会社資金で代償金を払わなければならない事態も - 代償分割
後継者が株式を継ぎ、他の相続人には現金や他の資産を渡して納得を得る方法 - 親族会議と事業承継契約
感情的な対立を法的根拠と数値シミュレーションで和らげ、全員が合意できる契約を整備
労務管理と対外関係
- 労務管理
後継者が新たな経営方針を打ち出すとき、就業規則変更や従業員の待遇が問題になる場合がある - 取引先・金融機関との関係
保証人の切り替え、融資条件の変更、取引契約の更新が必要になることが多い - 競業避止義務
退任した先代や幹部が別会社を立ち上げて競業しないようにする条項を設定
弁護士に相談するメリット
- 包括的法務アドバイス
会社法・税法・相続法・労働法を横断的に理解し、トラブルを未然に防ぐ - 契約書作成・交渉
株主間契約や事業承継契約、取引先との契約などを法律的にしっかり整備 - 遺言書・遺留分対策
親族間の紛争リスクを下げるため、後継者への株式集中と代償金を計画 - 紛争対応
万一、親族や従業員、取引先との争いが起きた場合、弁護士が代理人として速やかに交渉・訴訟対応
まとめ
中小企業の事業承継には、非上場株式の評価や親族間の遺留分問題、従業員や金融機関との調整など、多岐にわたる法的注意点があります。以下を意識して事前準備を進めましょう。
- 株式譲渡制限や議決権確保:定款や株主間契約の整備
- 相続税・贈与税:事業承継税制を検討し、評価額を把握
- 遺留分対策:親族間で代償分割や遺言書を作成し、後継者に株式を集中
- 労務管理・取引先対応:就業規則、融資条件、契約更新を計画的に
- 弁護士を中心とする専門家連携:法務・税務リスクを一元的にクリア
これらを踏まえ、事業承継を安定的かつ円滑に進めるため、早めに弁護士法人長瀬総合法律事務所へご相談ください。
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会社経営における事業承継の重要なポイント
はじめに
中小企業の多くが直面する課題の一つに事業承継があります。オーナー社長が引退する際、後継者選びや株式・資産の分配、従業員や取引先への対応など、さまざまな側面で慎重な意思決定を要するため、早めの計画と準備が欠かせません。特に会社経営の観点からは、後継者がスムーズに舵取りを担える体制づくりが重要です。
本記事では、会社経営における事業承継で押さえておくべきポイントを整理し、経営者がどのように承継準備を進めるべきかを解説します。後継者と経営方針を共有し、社員や顧客の信頼を維持しながら未来を拓いていきましょう。
Q&A
Q1. 会社経営者が事業承継で特に注意すべき点は?
- 後継者の育成と経営権集中(株式や議決権の分散を防ぐ)
- 金融機関や主要取引先との連携
- 相続税や贈与税の対策(事業承継税制など)
- 従業員のモチベーション管理(急激な方針転換を避ける)
Q2. なぜ株式の分散を防ぐのですか?
株式が兄弟や親族間でバラバラに持たれると、経営判断がまとまらないリスクが高まります。後継者が議決権を過半数持っていないと、経営上の重要決定がスムーズにできず、会社の意思決定が遅れる恐れがあります。
Q3. 会社の資金繰りに影響はないの?
事業承継時に、相続税や代償金の支払いなどで大きな出費が発生するケースがあります。不動産や株式を売却しないと税金を払えない事態に陥れば、会社の資金繰りに影響が出るため、事前の資金計画が必要です。
Q4. どのタイミングで承継準備を始めるべき?
理想的には数年前から始めるのが望ましいです。後継者育成や税金対策に時間がかかるため、オーナー社長が元気なうちに具体的なプランを進めるのがベストです。
解説
後継者育成と経営指導
- 実務経験を積ませる
経理・営業・人事など、重要部門をローテーションし会社全体を把握 - 経営意思決定プロセスへの参加
取締役会や経営会議に同席させ、判断力とリーダーシップを養う - 社内外の信頼構築
従業員や取引先との関係を築き、先代社長がフォロー - 資格や研修
MBAや経営セミナーに参加するなど、専門知識を習得
株式承継と相続税対策
- 自社株評価の把握
非上場の場合、税理士や弁護士と連携して類似業種比準方式で評価 - 事業承継税制の活用
中小企業庁が提供する納税猶予・免除の特例を利用できるか検討 - 贈与・遺言書作成
生前に段階的に株式を贈与する方法や、遺言書で相続を指定する手段 - 遺留分対策
他の親族が遺留分を請求しないよう、代償金や保険金でカバー
経営体制の整備
- 定款の見直し
譲渡制限株式の規定や取締役会の有無など、現状に合わない場合は変更 - 組織図と役員体制
後継者が代表取締役になる時期や現オーナーの顧問就任などを計画 - 取引先・金融機関への説明
後継者の経営方針や事業計画をアピールし、取引・融資の継続を確保 - マニュアル・ノウハウの文書化
社長の頭の中にある情報を、組織全体で共有可能な形に
従業員のモチベーション維持
- 新体制での人事制度見直し
後継者が就任しても、給与や評価システムを大幅に変更しすぎないよう配慮 - コミュニケーションの場
定期的なタウンホールミーティング、社員説明会でビジョン共有 - キャリアパス設計
優秀な人材の離職を防ぐため、役職登用や研修制度を整備
弁護士に相談するメリット
- 法務・税務リスクを一括管理
相続税、贈与税、会社法など多方面のリスクを整理し、適切な承継プランを提示 - 契約書・遺言書整備
株主間契約、役員報酬規程、遺言書など、書面で紛争を防ぐ - M&A含む外部承継にも対応
企業価値評価やデューデリジェンス、契約交渉などを総合的にサポート - 紛争時の対応力
親族間トラブルや従業員との労務問題が発生しても、法的手段で迅速に解決
まとめ
会社経営における事業承継は、経営権の移行と社内外への信頼維持が重要な課題となります。下記のポイントを意識して、早めに動きましょう。
- 後継者候補の適性評価と育成
- 株式承継の方法(贈与・遺言・M&Aなど)や税務対策
- 経営体制の整備(定款、役員構成、取引先周知)
- 従業員のモチベーション管理
弁護士と連携することで、法務・税務リスクを同時に管理でき、計画全体の実現性が高まります。ぜひ、弁護士法人長瀬総合法律事務所にご相談いただき、安心してバトンを引き渡せる体制を築いてください。
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弁護士を活用した事業承継の進め方
はじめに
事業承継は、後継者育成や株式移転、相続税・贈与税対策など多角的な課題を含みます。特に親族内承継では遺留分や相続人間の調整が必要であり、外部承継(M&Aなど)では契約や労働法務の面で細かい合意事項が発生。これらを法的視点から整理し、スムーズに進めるのが弁護士の役割です。
本記事では、弁護士を活用した事業承継の進め方を具体的に解説します。計画段階から実行フェーズまで、弁護士がどんな形でサポートできるかを知っていただき、トラブルのリスクを回避しましょう。
Q&A
Q1. 事業承継に弁護士が必要な理由は何ですか?
事業承継には、会社法、相続法、税法、労働法など多くの法律が絡みます。弁護士が全体を俯瞰して法的リスクを洗い出し、株式譲渡契約、遺留分対策、取締役変更登記などの手続きを一貫して支援することで、紛争やミスを未然に防げるからです。
Q2. 具体的にどのような業務を弁護士に依頼できますか?
- 事業承継計画の法的チェック
- 株式譲渡契約や事業承継契約の作成・交渉
- 取締役会や株主総会の手続きサポート
- 遺言書作成や遺留分対応
- M&A時のデューデリジェンス
などが挙げられます。
Q3. 弁護士を使うと費用が高くなりませんか?
確かに弁護士費用は発生しますが、トラブルで裁判になるリスクや、税務面の大きな損失を回避できるメリットを考えると、結果的にコストパフォーマンスが良い場合が多いです。事前に見積もりを取り、費用対効果を検討しましょう。
Q4. 事業承継を弁護士に相談するタイミングは?
できるだけ早い段階が望ましいです。後継者選定の時点から法律面を踏まえた株式移転スキームを考慮すると、計画全体がスムーズに進行します。相続直前や後継者交代直前に駆け込み相談するより、3~5年前から備えるのが理想です。
解説
弁護士が関与する事業承継のステップ
- 現状分析とリスク診断
- 会社の株式構成、経営権、借金や保証、従業員の雇用契約など法的観点で整理
- 承継方法の選択と計画立案
- 親族内承継か外部承継(M&A)か、株式を段階的に譲渡するか一括か、遺言書の必要性などを検討
- 契約書ドラフトと交渉
- 株主間契約、事業承継契約、取引先・金融機関との契約整理など
- 必要に応じて税理士と連携し、納税負担を試算
- 実行サポートとフォローアップ
- 株式譲渡や相続登記、取締役変更登記、従業員・取引先への周知
- 実行後も紛争や誤解が起きないよう継続的にアドバイス
親族内承継での弁護士活用
- 遺言書・遺留分対策
- 後継者に株式を集中させる際、他の相続人が遺留分侵害を主張しないよう、遺言書や代償金を計画
- 株式譲渡・贈与契約
- 税理士と協働で相続税・贈与税を軽減するスキームを構築
- 弁護士が契約書のリーガルチェック、違法・不備の排除
- 家族間の利害調整
- 兄弟姉妹の対立や、先代社長と後継者の意見相違を中立的立場で仲裁
M&A(親族外承継)の場合
- 事業売却・譲渡交渉
買い手との間で秘密保持契約、基本合意書、最終契約書など作成 - デューデリジェンス(DD)
法務DDで会社のリスク(契約違反、労務トラブルなど)を洗い出し、価格や契約条件に反映 - クロージング手続き
株式譲渡契約の締結、対価の受け渡し、代表者変更の登記、従業員の雇用契約引き継ぎ - トラブル対応
表明保証違反や競業避止義務の問題が出た際に弁護士が対処
従業員・取引先への配慮
- 従業員の雇用をどう維持するか
就業規則、役職の配置転換、労働条件などを法的視点で整理 - 取引先との契約変更
代表者変更に伴う再契約が必要か、支払い条件や保証人はどうするか - 金融機関への連絡
代表取締役の変更、連帯保証・担保設定の見直しを速やかに行う
弁護士に相談するメリット
- 複雑な契約整備のサポート
株式譲渡契約、遺言書、株主間契約、労働契約など多種多様な書類を専門知識で作成 - 親族間・株主間の感情的衝突を法的にコントロール
感情論に終始しないよう、中立的かつ論理的に合意形成 - 税理士やコンサルタントと連携した総合的提案
相続税や事業計画の面からもベストなプランを提供 - 紛争時の代理
事業承継後に発生したトラブル(表明保証違反、遺留分請求など)に迅速に対応
まとめ
事業承継を成功させるには、弁護士を中心に税理士やコンサルタントと協力し,以下のプロセスを踏むのが効果的です。
- 現状分析とリスク把握
株式や負債の洗い出し - 承継スキーム決定
親族内かM&Aか、株式譲渡か贈与か - 契約や登記の整備
株主間契約、事業承継契約、役員変更登記など - 従業員や取引先への周知
- 誤解や混乱を防ぎ、信用を維持
- アフターケア
万一の紛争に備えた見直し・調整
弁護士を活用することで、法的リスクの洗い出しや後継者交代の透明化を図り、経営のバトンタッチを円滑に進められます。ぜひ、弁護士法人長瀬総合法律事務所にご相談ください。
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事業承継計画作成の手順
はじめに
中小企業や家族経営の会社では、事業承継計画をしっかり立てることで、スムーズな世代交代と経営の安定を図れます。これは、後継者選定や株式移転だけでなく、従業員や取引先への周知、相続税・贈与税対策、金融機関との連携など、多岐にわたる要素を整理した計画書です。事前にきちんと策定しておけば、いざ社長が引退する時期を迎えても混乱やトラブルを最小限に抑えられます。
本記事では、事業承継計画をどのように作成していくか、そのステップや注意点を解説します。長期的視野で計画を立て、会社の未来を明るく継続させましょう。
Q&A
Q1. 事業承継計画の主な役割は何ですか?
事業承継計画は、後継者選定・経営権移行・株式や資産の移転・従業員や取引先への引き継ぎなどを時系列で整理し、リスクを洗い出す文書です。これにより、各ステップを漏れなく実行でき、金融機関や従業員も安心感を得られます。
Q2. 計画作成にどれくらい時間がかかりますか?
通常、3~5年程度をかけて計画的に進めるのが望ましいとされます。後継者育成や株式譲渡手続きに時間がかかるほか、対内外への理解を得るためには段階的な実行が必要になるからです。
Q3. 事業承継計画は何を含むべきですか?
- 後継者候補と育成プラン
- 株式移転や相続税・贈与税対策
- 取締役や代表取締役の交代スケジュール
- 金融機関との交渉方針(保証や融資条件)
- 従業員への対応策(役職変更、待遇面など)
- 取引先・顧客への周知
Q4. 弁護士の役割は?
弁護士は、会社法・相続法・税法などの視点から計画をレビューし、株主間契約や事業承継契約の整備、遺留分対策、取引先や従業員に対する法的説明などをサポートします。
解説
事業承継計画作成の基本ステップ
- 現状分析・課題の洗い出し
- 自社の財務状況、株主構成、後継者候補の有無、金融機関の保証などを一覧化
- 目標設定
- いつまでに社長交代するのか、株式は誰に集中させるのか、従業員にどんな体制を整えるのか
- 具体的プラン策定
- 後継者育成プラン:社内ローテーション、役員登用、外部研修
- 株式譲渡や贈与計画:段階的に移転か、一括か。相続税対策はどうするか
- 取引先・金融機関対応:保証人の切り替え、契約更新
- スケジュールと役割分担
- 代表交代の時期、登記変更、社内外への周知時期をカレンダーに落とし込む
- 計画実行の担当者(後継者、オーナー、弁護士、税理士など)を明確化
ポイント別対策
- 後継者育成
- 経営者としての決定権や財務知識、コミュニケーション力を身につける研修
- 社内の信頼獲得と外部ネットワーク構築
- 株式承継・相続税対策
- 生前贈与や事業承継税制の特例を活用し、相続税の負担を軽減
- 遺言書作成や遺留分対策で親族間の紛争回避
- 従業員・取引先への周知
- 計画段階からキーパーソンに情報を共有し、不安を最小化
- 新体制のビジョンやメリットを明確に伝える
- 金融機関との協議
- 保証人の変更や融資条件見直しを事前に交渉
- 後継者が代表就任後もスムーズに資金調達できる体制を確保
計画書に盛り込む内容
- 会社概要と経営理念
歴史や現状、ミッション、ビジョンを整理 - 後継者選定理由
なぜその人物が適任かを説明(スキル、経営姿勢など) - 承継手法(贈与、売買、相続)
株式移転の方式やタイミング、予定譲渡価格、税務シミュレーション - 新経営体制の組織図
取締役、幹部、業務責任者の配置と役割 - 実行スケジュール
3年・5年単位の目標。株式譲渡日、代表変更登記、遺言書作成などを具体化 - リスク管理・紛争回避策
遺留分への対応、従業員離職リスク、主要取引先の反応対策
よくある失敗例
- 計画の形骸化
作っただけで放置し、実際の後継者育成や株式移転が進まない - 短期間で交代
オーナーの体調不安で急に引退し、後継者が準備不足で混乱 - 税務リスク未対策
相続時に多額の税金が発生し、会社資金を圧迫 - 従業員と取引先への説明不足
現場が後継者に不信感を抱き、人材流出や受注減
弁護士に相談するメリット
- 計画段階での法的リスク分析
会社法や商法、労働法の視点から承継後の問題点を洗い出し、計画に盛り込む - 契約書作成・見直し
株主間契約や事業承継契約、取引先との基本契約を再整備 - 遺留分・相続税対策
税理士と連携して税負担を軽減し、親族間トラブルを回避する遺言書や贈与計画をサポート - 紛争解決能力
親族や株主間で意見が対立したとき、弁護士が調整役となり法的根拠を示して妥協点を導く
まとめ
事業承継計画は、会社の将来を守るための包括的な設計図です。以下を意識しましょう。
- 後継者選定
適性と意欲を確認し、育成スケジュールを策定 - 株式移転・相続対策
税務や遺留分問題も含め事前に検討 - 従業員・取引先対応
段階的情報開示と合意形成 - 弁護士など専門家連携
法的・税的リスクを未然に防止
計画を綿密に立て、早めに動くことで事業承継を円滑かつ安全に進められます。もし不明点や不安があれば、弁護士法人長瀬総合法律事務所までお問い合わせください。
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親族間での事業承継トラブル事例
はじめに
多くの中小企業では、社長の子どもなど親族を後継者に据えて事業を継続する「親族内承継」が主流とされています。しかし、家族ならではの感情的対立や、兄弟姉妹間での遺留分問題、会社の経営理念の違いなどによって、承継がスムーズに進まないケースが後を絶ちません。本記事では、親族間で起こりがちな事業承継トラブル事例を紹介し、どのように解決・予防すべきかを解説します。
Q&A
Q1. 親族内承継でよくあるトラブルとは?
- 兄弟姉妹の間で株式の分割がもめる
- 後継者のリーダーシップ不足で従業員や取引先が不安
- 先代経営者と後継者が経営方針で対立し、権限移譲が進まない
- 他の相続人が遺留分を主張し、事業用資産の分配に反発
Q2. 兄弟のうち特定の一人だけが後継者になるのはアリですか?
もちろん可能ですが、他の兄弟が遺留分や公平性を理由に不満を表すケースが多いです。分配をめぐるトラブルを回避するため、代償金を用意したり、遺言書で事前調整を行うなどの配慮が必要です。
Q3. 親族経営だと感情的な衝突が多い印象です。どうやって緩和できますか?
事業承継契約や株主間契約などで、意思決定プロセスや株式譲渡条件を明確に定めるのが有効です。また、弁護士などの第三者が入ると、客観的視点で中立に調整でき、感情的対立を抑えやすいです。
Q4. 親族間トラブルを未然に防ぐ具体的な方法は?
- 早期からの情報共有(後継者候補や株式分配案を家族で話し合う)
- 遺言書の作成(遺留分に配慮して公平感を出す)
- 株主間契約(後継者の経営権を確立しつつ、他の親族の取り分も明記)
- 弁護士など専門家の関与(法的根拠と客観的データで説得力をもたせる)
解説
事例1:後継者への株式集中が兄弟間で対立
【状況】
家族経営のA社。社長が長男を後継者に指名し、株式を集中しようと計画。しかし、次男と長女が「父の財産を独占するのか」と反発。
【問題点】
- 兄弟姉妹が同じく相続人であり、株式をどう分割するかで意見相違
- 従業員や取引先は長男就任を受け入れているが、親族の不満が解消されない
【解決策】
- 遺言書で長男に主要株式を譲る一方、次男・長女に代償金を支払う
- 株主間契約で「経営は長男が行う」と決めつつ、他の兄弟の権利を一部保障
- 弁護士が仲介し、遺留分対策や配当方針をまとめた事業承継契約を締結
事例2:先代と後継者の衝突による権限移譲が進まない
【状況】
創業社長が高齢だが、経営実権を強く握り、新社長(長女)に権限を委譲しない。結果、従業員が「どっちに指示を仰げばいいのか」と混乱。
【問題点】
- 先代の経営理念と後継者の新方針が食い違い、社内で権力が二重化
- 取引先も「方針が安定しない」と不安を抱く
【解決策】
- 事業承継契約で先代の顧問的立場や退任時期を明確化
- 経営上の決定権限を後継者に一元化し、先代はアドバイザリー役に徹する
- 従業員への周知を徹底し、新社長が正式な決裁者であることを明示
事例3:遺留分侵害額請求で事業資産が分割されそうになる
【状況】
長男を後継者にして会社株式を集中する遺言書があったが、二男・三女が遺留分侵害額請求を主張。会社の主要株式を金銭換価しなければならない恐れが出た。
【問題点】
- 会社株式が分割されて経営権が揺らぐリスク
- 現金が少なく、代償金を支払えないと会社が不安定化
【解決策】
- 生前贈与で長男に株を一部移転、同時に二男・三女にも相応の資産を渡す
- 遺留分を見越して代償金の準備をしておき、相続時に速やかに支払う
- 弁護士が遺言書を作成し、遺留分対策として不公平感を減らす工夫
トラブル未然防止策
- 事業承継計画書の作成
5年・10年先を見据えた株式移転、役職移行、相続対策などをまとめる - 早期からの親族会議
親族が顔を合わせ、将来的な事業方針や株式分配を議論 - 専門家チームの編成
弁護士、税理士などを交えた総合的なサポート
弁護士に相談するメリット
- 親族間の感情対立を法的アプローチで整理
感情論になりがちな家族問題を法律的根拠と客観的データで説得 - 株式や資産分配の契約書作成
事業承継契約や株主間契約でルールを明確化 - 遺言書や遺留分対策
生前贈与や遺留分対策を踏まえ、将来の紛争を最小化 - 税理士など他士業との連携
相続税や贈与税、会社の財務分析などもワンストップで対応
まとめ
親族間の事業承継トラブルは、感情面と財産面の両軸で衝突するケースが多く、長期化すると会社運営に悪影響を及ぼします。以下の対策が重要です:
- 早期に後継者を決定し、適性や意欲を確認
- 株式分割や遺留分対策を契約書や遺言書で明文化
- 先代経営者と後継者の役割分担を明確化し、従業員や取引先に周知
- 弁護士を含む専門家との連携で法務・税務リスクを未然に防ぐ
もし事業承継で親族同士が対立しそうな気配がある場合は、お早めに弁護士法人長瀬総合法律事務所へ相談し、適切な解決策を検討しましょう。
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事業承継での後継者選定の注意点
はじめに
誰が会社を継ぐのか。事業承継において最も重要な問題の一つが後継者選定です。親族内承継では、子どもが必ずしも経営適性を持っているとは限らず、外部からの招聘(M&A含む)も視野に入れる必要があります。後継者選びに失敗すると、せっかくの会社を存続できず、従業員や取引先にも大きな影響を及ぼすことになりかねません。
本記事では、後継者選定の際の注意点と、どのようにベストな後継者を見つけ、円滑に事業を引き継ぐかを解説します。早めの人材育成や親族以外の人材活用など、多角的な視点を持つことが成功のカギです。
Q&A
Q1. 親族内承継のメリットとデメリットは?
- メリット
家族の血縁・信頼関係があり、従業員や取引先が受け入れやすい - デメリット
子や親族に経営能力がなければ事業が行き詰まるリスク。相続税負担など税務面の問題もあり
Q2. 親族外の後継者を探す場合、どんな方法がある?
主に、
- 社内の役員・従業員(MBO)
- 外部からの招聘(業界出身者やプロ経営者)
- M&A(他社や投資家に売却)
などが挙げられます。
Q3. 後継者選定で企業が考慮すべきポイントは何ですか?
- 経営スキルやリーダーシップ
- 会社の理念や文化への理解度
- 従業員・取引先からの信頼感
- 株式譲渡、相続税などの経済面
- 健康状態や年齢、覚悟
が重要となります。
Q4. 後継者選定でよくある失敗例は?
- 経営能力が不足する子息を安易に社長に就任させ、業績悪化
- 社内外の反発で、後継者が孤立し短期間で辞任
- M&Aで買い手とミスマッチが起こり、従業員離職や取引先撤退
などが典型です。
解説
後継者選定の基本プロセス
- 会社の理念・ビジョンの明確化
どのような方向性で会社を存続・発展させたいかをオーナー自身が整理 - 候補者リストアップ
親族内(子、配偶者、兄弟など)、社内(役員・従業員)、外部(専門家・投資家) - 適性・スキルの評価
経営能力、リーダーシップ、人脈、会社の価値観への適合性 - 面談・試用期間
実務を少しずつ任せ、従業員や取引先の反応を確認 - 最終決定と育成計画
決定後も一定期間は先代と並走し、ノウハウや人脈を引き継ぐ
親族内承継と親族外承継の比較
- 親族内承継
- メリット:
血縁で円滑に引き継ぎやすい、会社の伝統・理念を保ちやすい - デメリット
経営スキル不足のリスク、他の親族との遺留分問題など
- メリット:
- 親族外承継
- メリット
経営プロを招くことで業績アップの可能性、適性のある後継者を広く探せる - デメリット
従業員や取引先の抵抗、コミュニケーションコスト、M&Aの失敗リスク
- メリット
後継者育成と引き継ぎのステップ
- 実務経験を積ませる
経営者候補に財務・人事・営業などの部門をローテーション勤務させ、全体を理解 - 徐々に役職を上げる
部長→取締役→代表取締役とステップを踏む - 社内外への周知
従業員総会、取引先への挨拶、経営計画説明など - 先代との交替時期明確化
いつ社長を交代するか、株式移転スケジュールを事前に発表
トラブル防止の具体策
- 明文化
後継者選定の合意内容を株主間契約や事業承継契約として書面化 - 従業員・取引先への説明
不安や反発を和らげるため、計画的に情報を開示し協力を得る - 株主や親族との調整
遺言書を作成し、遺留分や相続税対策を早期から行う - 弁護士・税理士・コンサルタントの活用
法務・税務・経営全方位からサポートを受け、スムーズに進める
弁護士に相談するメリット
- 後継者選定時の利害調整
親族内で意見対立がある場合、弁護士が法的根拠を示しながら仲介 - 株式譲渡や贈与契約書の作成
後継者への株式集中を進めるうえで、契約内容を明確化し紛争回避 - 遺言書や遺留分対策
相続時にトラブルにならないよう法的に公平感を保つ支援 - 取締役会や労務管理
代表交代時の会社法手続き、就業規則の見直しなど総合的にサポート
まとめ
後継者選定は、事業承継の成否を左右する重要なステップです。以下のポイントを押さえてください。
- 親族内承継か親族外承継かを早期に判断
- 候補者の経営適性、会社の理念への理解、従業員・取引先の納得度をチェック
- 株式移転や役員交代など法的手続き、税務面の対策も並行して計画
- 弁護士の活用で契約書(株主間契約、事業承継契約)を整備し、トラブルを防ぐ
先々のスムーズな経営継続のため、ぜひ弁護士法人長瀬総合法律事務所にご相談ください。後継者の育成・選定から契約書の整備、周囲への説明等をサポートいたします。
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会社契約と事業承継契約の重要性
はじめに
事業承継をスムーズに進めるためには、単に株式を引き継ぐだけでは不十分です。会社の経営権、役員構成、取引先との契約関係、ノウハウや知的財産など、多角的な視点で契約を整理し、明文化しておく必要があります。特に、会社契約や事業承継契約を活用することで、当事者間の権利義務を明確にし、後からの紛争を防止する効果が期待できます。
本記事では、会社契約と事業承継契約の重要性を取り上げ、事業承継で押さえるべき契約のポイントやメリットを解説します。会社規模を問わず、大切な事業の未来を守るためにぜひご一読ください。
Q&A
Q1. 会社契約とは何ですか?
会社の内部ルールや外部取引について、契約書で明文化したものを指します。定款だけでなく、株主間契約、経営者間契約、取引先との契約など、企業運営に必要な法律関係を整理した各種契約書が広義の「会社契約」と言えます。
Q2. 事業承継契約はどのような内容ですか?
後継者が経営権を引き継ぐ際、株式譲渡や役員交代、競業避止義務、ノウハウ移転などをまとめた契約を「事業承継契約」と呼ぶことがあります。法的には複数の契約要素(売買、贈与、業務委託など)が複合的に含まれる場合が多いです。
Q3. なぜ契約書が重要なのでしょう?
口頭の約束では後から解釈が違うなどトラブルが起こりやすいです。契約書で明確な条項を定めておけば、当事者間の認識差を最小化し、紛争や訴訟を未然に防ぎやすくなります。特に事業承継は利害関係が複雑なので、契約書による予防法務が不可欠です。
Q4. 弁護士に依頼すると何がメリットですか?
弁護士は、会社法・民法・労働法など多岐にわたる法律を踏まえ、漏れのない契約書を作成できます。トラブルリスクを洗い出し、具体的な条項で対策し、後継者や株主、従業員が安心して次のフェーズに進める契約を整備してくれる点がメリットです。
解説
会社契約で整備すべき項目
- 定款の見直し
- 事業目的、株式の譲渡制限、取締役会の有無などを現実の事業実態に合わせる
- 株主間契約
- 大株主同士で議決権行使や株式売買の条件、競業避止を定める
- 事業承継で後継者に株を集中させるための優先交渉権や売却価格のルール
- 取引先との基本契約
- 主要な取引先や仕入先との契約書を見直し、後継者交代に伴う影響を明確化
事業承継契約の主要ポイント
- 株式譲渡・贈与の条件
- 譲渡価格、支払い方法、代償金の有無など
- 相続税や贈与税の対策も考慮
- 経営権と役員構成
- 代表取締役を後継者に変更する時期、取締役辞任のタイミング、株主総会決議などの手順
- ノウハウ・知的財産の移転
- 商標権や特許権、秘密情報の保護をどう扱うか
- 競業避止義務を設定し、先代が退任後に競合となるリスクを防ぐ
- 従業員の継続雇用・待遇
- 後継者交代で労働条件を維持する契約を社員と結ぶかどうか
契約締結の流れ
- 事前相談・合意形成
- オーナー経営者と後継者(親族内 or 外部)で大筋の合意
- 弁護士や税理士が財務・法務面のリスクをチェック
- ドラフト作成
- 弁護士が事業承継契約や株主間契約の案文を起案
- 当事者間で修正交渉
- 契約締結・署名捺印
- 定款変更や役員変更が必要な場合は、株主総会決議・登記申請を行う
- 事業承継の実行
- 株式譲渡・譲渡対価の支払い、ノウハウ移転のスケジュールなどを順次実施
トラブル防止のための注意点
- 家族間の口約束を避ける
特に親族承継の場合、口頭合意だけでは後継者周りや兄弟の遺留分問題で紛争化する - 株式売買価格や支払い方法を明記
後継者に資金がない場合は分割払い、代償金など契約で明確化 - 経営者保証の解除・切り替え
銀行の保証人が前代表のままだとリスクが残るため、後継者との交渉が必要 - 秘密保持条項
自社のノウハウや顧客情報が外部に漏れないよう、退任者に対する秘密保持・競業避止を契約で定める
弁護士に相談するメリット
- 抜け漏れのない契約書作成
会社法や商法、税法などの専門知識をフル活用し、万全な内容に - 利害調整と説得力
オーナーと後継者、株主、従業員など多数の当事者を説得する際、法的根拠に基づき公平感を示せる - 紛争予防
曖昧な取り決めを排除し、将来の争点をあらかじめ契約に盛り込む - 専門家ネットワーク
税理士や社会保険労務士とも連携し、ワンストップで対応
まとめ
事業承継を円滑にするうえで、会社契約や事業承継契約を整備することは重要です。以下のポイントを意識しましょう。
- 定款や株主間契約など会社内部ルールを最新化し、経営権移行を明確に
- 事業承継契約で株式譲渡、競業避止、ノウハウ継承など具体的条件を定める
- 従業員・取引先への周知や、相続税対策も含めた総合的アプローチ
- 弁護士を活用し、法的リスクを未然に防止
オーナー経営者がスムーズにバトンを渡すためにも、弁護士法人長瀬総合法律事務所へお気軽にご相談ください。各専門家とも連携しながら、会社の未来を支える最適な契約スキームを構築いたします。
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株式の相続と分割方法
はじめに
被相続人が自社株式や上場株式を保有していた場合、相続が始まるとその株式を誰がどのように承継するかが大きな争点となります。特に非上場会社の株式は評価額が不透明で、相続税も含めて複雑な問題を引き起こしがちです。そこで本記事では、株式の相続と分割方法について、上場・非上場株式の違いや相続税評価の基本、分割パターンなどを解説します。
Q&A
Q1. 上場株式と非上場株式の相続で何が違うの?
上場株式は相続開始時の時価(終値など)を基に評価しやすく、分割もしやすい傾向にあります。非上場株式は市場価値がなく、株式の評価方法(類似業種比準方式など)が複雑で、経営権の問題なども絡むため、相続争いが起こりやすいです。
Q2. 非上場株式はどのように評価しますか?
税務上の評価方法として、原則「類似業種比準方式」や「純資産方式」などが使われます。会社の規模や事業内容によって細かな計算式があり、税理士や弁護士と連携しながら行うことが多いです。
Q3. 株式を分割する際の方法は?
一般的には、
- 現物分割
株式をそのまま相続人に配分 - 換価分割
株式を売却して現金化し、分配 - 代償分割
ある相続人が株式を取得し、他の相続人に代償金を支払う
などが考えられます。非上場株式の場合、売却が困難なため代償分割が多用されることが多いです。
Q4. 事業承継に絡む株式相続は特別な問題がありますか?
事業承継の場合、会社の経営権を誰が握るかが大きな問題です。また、非上場会社だと自社株評価が高額になると相続税負担が大きくなり、事業継続が危うくなることがあります。そのため、事前に株式の移転計画や相続税対策を行うことが重要です。
解説
株式相続の基本
- 相続税評価
- 上場株式:相続開始日(死亡日)の終値や一定期間の平均株価などで評価
- 非上場株式:類似業種比準方式、純資産方式などを駆使して算出
- 相続税申告
- 株式を含む遺産総額が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えれば相続税申告が必要
- 法定相続分と遺言書の有無
- 遺言書があればその指定が優先。ただし遺留分に注意
分割方法とポイント
- 現物分割
- 相続人ごとに株数を割り振る
- 非上場株式で議決権が分散すると、経営方針が不明確になるリスク
- 換価分割
- 株式を売却し、現金化したうえで分配
- 上場株式は売却が容易だが、非上場だと売却先を探すのが難しく時間がかかる
- 代償分割
- 後継者が株式を全取得し、他の相続人に代償金を払う
- 事業承継で多用される手法だが、代償金を用意するために資金調達が必要になる
事業承継を含む非上場株式の対応
- 後継者への株式集約
- 経営権を安定させるため、後継者が過半数以上の株式を取得するのが一般的
- 株式評価額の軽減対策
- 中小企業向け事業承継税制の特例など、納税猶予や免除制度を活用
- 贈与税・相続税の負担を抑えるスキームを検討
- 遺留分対策
- 親族が多い場合、子どもたちの遺留分が発生し、後継者に株式を集中しにくい
- 遺言書で公平感を保ち、代償金を支払う仕組みを整える
手続きの注意点
- 名義変更・証券会社手続き
上場株式は証券会社での相続手続きが必要(戸籍、遺産分割協議書などが要る) - 非上場株式の議決権行使
相続手続き完了まで、誰が株主として決議に参加するのか問題となる場合がある - 相続税申告と納税
申告は死亡から10カ月以内、分割が未定なら未分割申告+後日更正の請求
弁護士に相談するメリット
- 株式評価と分割方法の提案
税理士や公認会計士とも連携し、上場・非上場株式の評価額を確定。最適な分割案を示唆 - 遺言書や遺留分対策
事前に遺言書を作成し、後継者に株式を集中させる際の法律面でのサポート - 株主間の紛争回避
兄弟姉妹が株を巡って争う場合、弁護士が調整役となり、代償分割や譲渡契約を円滑に - 相続税対策
事業承継税制の特例利用をはじめ、税理士と協力して納税負担を軽減するプランを構築
まとめ
株式の相続では、上場株式か非上場株式かで対応が大きく異なります。特に事業承継が絡む非上場株式は、経営権や相続税負担、遺留分問題などが複雑に絡み合うため、早期から専門家と計画を立てるのがベストです。以下のポイントを押さえましょう。
- 株式の種類(上場・非上場)や評価方法を把握
- 遺産分割方法:現物分割・換価分割・代償分割などを検討
- 事業承継:後継者へ株式を集中させる場合、遺留分や納税対策が必須
- 弁護士に相談:法務・税務・経営の視点から総合サポート
株式相続や事業承継でお悩みの方は、ぜひ弁護士法人長瀬総合法律事務所へご相談ください。税理士や会計士と連携し、円滑な株式移転と紛争予防をサポートいたします。
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