遺留分権利者とは

遺留分権利者とは、遺留分を有する人のことをいいます。

遺留分を侵害する遺贈や贈与があった場合、遺留分権利者は、受遺者または受贈者に対し、遺留分侵害額を請求することができます(なお、2019年7月1日より前に相続が開始した場合には、遺留分侵害請求権ではなく、遺留分減殺請求権を行使することができます)。

遺留分権利者は、以下のように整理できます(民法1042条)。

  1. 兄弟姉妹以外の法定相続人(子・直系尊属・配偶者)
  2. 兄弟姉妹以外の法定相続人の代襲相続人
  3. 上記①・②からの承継人

(遺留分の帰属及びその割合)

第千四十二条 兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次条第一項に規定する遺留分を算定するための財産の価額に、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合を乗じた額を受ける。

一 直系尊属のみが相続人である場合 三分の一

二 前号に掲げる場合以外の場合 二分の一

2 相続人が数人ある場合には、前項各号に定める割合は、これらに第九百条及び第九百一条の規定により算定したその各自の相続分を乗じた割合とする。

相続欠格に該当する場合

兄弟姉妹以外の法定相続人であっても、遺留分権利者に当たらない場合として、相続欠格に該当する場合が挙げられます。

民法891条各号に規定された相続欠格事由に該当する場合、被相続人の配偶者・子・直系尊属等であっても、相続権を失うものとされています。

(相続人の欠格事由)

第八百九十一条 次に掲げる者は、相続人となることができない。

一 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者

二 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。

三 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者

四 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者

五 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者

推定相続人の廃除

遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいいます。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人はその推定相続人から相続資格を剥奪することを家庭裁判所に請求することができます(民法892条)。

被相続人の廃除請求が家庭裁判所に決定された場合、遺留分を有する推定相続人であっても、遺留分権利者には当たらないことになります。

相続放棄

兄弟姉妹以外の法定相続人が相続放棄した場合も、遺留分権利者には当たらないことになります(民法938条以下)。

 

代襲相続人と遺留分の関係

遺留分権利者となる者は、兄弟姉妹以外の法定相続人です(民法1042条)。また、兄弟姉妹以外の法定相続人の代襲相続人も、遺留分権利者となることができます。

もっとも、被代襲者である法定相続人が相続放棄をした場合、代襲相続が発生しないため、代襲者となるべき人も、遺留分権利者にはならないことになります。また、被代襲者である法定相続人が遺留分を放棄した場合にも、その代襲者は、遺留分権利者になりません。

ただし、被代襲者である法定相続人が相続欠格者である場合または相続人から排除されている場合には、代襲相続が発生するので、その代襲者は遺留分権利者になることができます。

 

遺留分権利者からの承継人

遺留分権利者自身ではありませんが、遺留分権利者からの承継人は、遺留分権利者と同様、承継した権利の範囲内で、遺留分侵害額請求または遺留分減殺請求をすることができます。

遺留分権利者からの承継人には、①遺留分権利者の相続人、②包括受遺者、③相続分の譲受人、等の包括承継人に加え、個別的な遺留分侵害額請求権を譲り受けた者等、の特定承継人も含まれます。

 

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