株式を相続する場合の留意点:上場株式の評価方法と遺産分割の進め方

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はじめに

被相続人が株式を保有していた場合、その相続には専門的な知識と手続きが必要です。株式の種類や評価額の算定、さらに適切な遺産分割の方法を選択しないと、相続人同士でトラブルが発生する可能性があります。本稿では、株式相続の基礎知識から具体的な手続き方法まで解説します。

株式相続に関するQ&A

Q: 父が亡くなり、多くの株式が遺産として残されています。どのように相続手続きを進めれば良いでしょうか? 

A: 株式の相続手続きは、株式の種類や証券会社の特定によって異なります。まず、株式が上場しているか非上場かを確認しましょう。上場株式であれば、証券会社に連絡し、必要な書類を揃えて手続きを進めます。証券会社が特定できない場合は、証券保管振替機構に問い合わせて情報を取得することができます。

株式相続の手続きと進め方

1. 株式の種類と相続手続きの違い 

株式が上場しているか非上場かで手続きは異なります。上場株式の場合、証券会社を通じて手続きを行いますが、非上場株式の場合は、株式を発行している会社との直接的なやり取りが必要です。

2. 証券会社の特定 

相続対象の株式が預けられている証券会社がわかっている場合は、まずその証券会社に連絡しましょう。連絡後、必要書類(戸籍謄本、遺産分割協議書など)を揃え、相続手続きを進めます。

証券会社が特定できない場合は、証券保管振替機構に問い合わせ、どの証券会社に株式が預けられているかを確認します。

上場株式の評価方法

1. 相続税評価額の計算 

上場株式の相続税評価額は、いくつかの方法で計算できます。相続が発生した日付の終値、月の平均値など、複数の評価額の中から最も低い額を選択することができます。これにより、節税対策が可能です。

2. 評価額の具体例 

例えば、相続発生日の終値が4000円、前月の終値平均が3000円であれば、3000円を基準に評価額を計算します。これによって、相続税負担を軽減できる可能性があります。

株式の遺産分割と注意点

1. 遺産分割の方法 

相続人が一人であればそのまま株式を相続しますが、複数人いる場合は、現物分割、換価分割、代償分割のいずれかの方法で分割を行います。各方法にはそれぞれ利点と注意点があり、相続人同士で慎重に話し合うことが重要です。

  • 現物分割: 株式をそのまま相続する方法です。株式を売却せずに保有したい相続人に適しています。
  • 換価分割: 株式を売却して現金に換え、その代金を相続人で分配する方法です。株式に興味がない場合や、迅速な分割が求められる場合に有効です。
  • 代償分割: 一人の相続人が株式を相続し、他の相続人に代償金を支払う方法です。株式を保有したい相続人が他の相続人に納得してもらうために使われます。

2. 注意点 

株式を遺産分割の対象とする場合、以下の点に注意が必要です。

  • 株式の価格変動: 上場株式の評価額は日々変動します。タイミングを誤ると、評価額が低くなり、損失が出る可能性があります。株式を売却する場合は、相場の動向をよく確認しましょう。
  • 代償金の計算: 代償分割では、株式の評価額に基づいて代償金を計算しますが、株式の価値が変動するため、公平な分配が求められます。評価額の変動によって相続人間で不満が生じないように注意しましょう。
  • 準確定申告: 被相続人が株式取引を行っていた場合、相続人は準確定申告を行う必要があります。この申告は、相続開始後4か月以内に行わなければならないため、早めに対応しましょう。
  • 相続放棄: 相続人の一人が相続放棄をすると、その相続人ははじめから相続人ではなかったことになります。相続放棄が行われた場合、他の相続人が遺産分割協議を行う必要があります。

株式の相続手続をしない場合のリスク

株式の相続手続を放置すると、株式が準共有状態となり、議決権の行使や配当金の分配が煩雑になります。準共有の状態が続くと、相続人間の協議が長引く可能性があるため、早めに手続きを完了させることが重要です。

弁護士に相談するメリット

株式相続は、手続きが煩雑であり、専門的な知識が求められます。弁護士に相談することで、次のようなメリットがあります。

  • 専門的なアドバイス: 弁護士は相続法の専門知識を持ち、複雑な手続きを適切に進めるためのアドバイスを提供します。
  • 遺産分割の公平性確保: 相続人間で公平な遺産分割を行うためのサポートを行います。特に、株式の評価額の変動に関する問題に対して適切な対応策を提示します。
  • ワンストップサービス: 弁護士法人長瀬総合法律事務所では、弁護士と税理士が連携し、相続税の申告や節税対策を含めたワンストップのサービスを提供しています。相続に関するすべての手続きを一貫してサポートします。

まとめ

株式の相続は、相続人にとって大きな負担となりがちです。手続きを進める際には、株式の種類や評価方法、適切な遺産分割の方法を理解し、専門家のアドバイスを受けることが重要です。弁護士法人長瀬総合法律事務所では、相続の専門家が丁寧にサポートいたしますので、株式の相続でお困りの際は、お気軽にご相談ください。


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