共有名義不動産の相続: トラブルを防ぐための具体的対策

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はじめに

共有名義の不動産を相続する際、多くの人が予期せぬトラブルに直面することがあります。不動産の共有は、所有者が複数いる場合に生じるもので、相続の場面では多くの問題が浮上しやすくなります。本記事では、遺産分割・相続問題でお悩みの皆様から寄せられる質問に基づき、解決策を解説します。

Q&A

Q1: 共有名義の不動産を相続すると、どのようなトラブルが考えられますか?

A1:共有名義の不動産は、所有者が複数存在するため、意見の不一致が発生しやすく、売却や利用に関して揉めることがあります。また、固定資産税の支払い負担が偏ったり、相続によりさらに持分が細分化されることで、トラブルが拡大することもあります。こうした問題を避けるためには、事前の対策が必要です。

Q2: 共有名義の不動産相続で問題を回避するには、どのような方法がありますか?

A2:相続開始前に共有名義を解消することや、遺言書を作成することが有効です。また、相続開始後においても、共有状態を放置せず、速やかに相続人間で協議を行い、問題を未然に防ぐことが重要です。弁護士の助言を受けることで、これらの手続きをスムーズに進めることができます。

共有名義の不動産とは?

共有名義とは、一つの不動産を複数の所有者が共同で保有している状態を指します。例えば、家族や兄弟間で土地や建物を共有している場合、その不動産は「共有名義」として登記されます。各共有者は「持分」に応じた権利を持ちますが、他の共有者との協力が不可欠となる場面が多々あります。共有名義の不動産は、単独での意思決定が難しく、これが相続の場面で問題を引き起こす原因となります。

共有名義におけるトラブルの主な原因

1. 意見の不一致によるトラブル

共有名義の不動産に関する意思決定は、単独で行うことができない場合がほとんどです。例えば、不動産の売却等に関しては、共有者全員の同意が必要です。意見が一致しないと、不動産の活用が難しくなり、トラブルが生じます。

2. 利用に関するトラブル

共有名義の不動産を誰がどのように利用するかが問題となり、単独利用を巡る争いが発生することがあります。単独利用者が他の共有者に使用料を支払うケースもありますが、その金額や条件についての合意が難しいことが少なくありません。

3. 売却困難によるトラブル

共有名義の不動産を売却するには、全員の同意が必要です。一人でも反対があると、売却が実現しないため、不動産が放置されるケースが多く見られます。放置された不動産には固定資産税の負担がかかり、経済的な負担が増大します。

4. 固定資産税の負担に関するトラブル

共有名義人のうち一部が固定資産税を支払わない場合、他の共有者に負担が集中し、これが新たな争いの原因となります。また、代表者が一括して支払うケースもあり、その場合においても支払い負担を巡る問題が発生します。

5. 相続による持分の細分化

共有者が死亡した場合、その持分は相続人に引き継がれますが、相続人が複数いる場合には、持分がさらに細分化されます。これにより権利関係が複雑化し、トラブルの発生リスクが高まります。

共有名義の不動産相続でトラブルを回避する方法

1. 相続開始前の対策

  • 共有名義の解消: 相続開始前に、共有者間で話し合いを行い、持分の買い取りや売却を通じて共有状態を解消することが考えられます。これにより、相続時のトラブルを未然に防ぐことができます。
  • 遺言書の作成: 被相続人が遺言書を作成し、特定の相続人に自分の持分を単独で相続させることも有効です。これにより、相続による持分の細分化を防ぎ、トラブルを軽減することが可能です。

2. 相続開始後の対策

  • 遺産分割協議を迅速に行う: 相続開始後は、速やかに相続人間で遺産分割協議を行い、共有持分の整理を進めることが重要です。協議がまとまらない場合は、家庭裁判所で調停を行い、解決を図ることができます。
  • 共有持分の整理: 誰か1人が持分を相続し、他の共有者から持分を買い取るなどして共有状態を解消することが望ましいです。また、共有持分を売却し、代金を分け合う方法も考えられます。

トラブルが発生した場合の対応策

1. 弁護士に相談する

共有名義の不動産相続に関するトラブルが発生した場合、速やかに弁護士に相談することが推奨されます。弁護士は、共有持分の整理や売却のサポート、調停や訴訟における代理人として、最適な解決策を提案します。特に、共有者間の意見の対立が深刻化している場合、専門家の助言が不可欠です。

2. 調停や訴訟を利用する

相続人間で合意が得られない場合、家庭裁判所で調停や訴訟を行い、解決を図ることができます。これにより、共有名義の不動産の売却や持分の整理が進められ、最終的な解決に向けての一歩を踏み出すことが可能となります。

まとめ

共有名義の不動産を相続する際には、早期の対策と専門家の助言が欠かせません。弁護士法人長瀬総合法律事務所では、相続に関する複雑な問題に対応し、適切な解決策をご提案いたします。共有名義の不動産相続でお悩みの方は、お早めにご相談いただくこともご検討ください。


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