遺言の正しい作成方法と失敗しないためのポイント

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はじめに

遺言は、自分の財産を次世代に引き継ぐための重要な手続です。しかし、遺言書が無効とされるケースも少なくなく、その結果として相続をめぐるトラブルが発生することがあります。遺言の効力を確実にするためには、法律で定められた方式に従うことが不可欠です。本稿では、遺言の方式について詳しく解説し、遺言書を作成する際に注意すべきポイントや、よくある誤解についても触れていきます。

Q&A

Q1: 遺言の方式って何ですか?

遺言の方式とは、遺言が法的に有効であるために守るべき手続のことです。遺言は、遺言者が亡くなった後に効力を発揮するため、その内容が遺言者の意志であることを確実にする必要があります。これを達成するために、民法では遺言書の作成方法が詳細に定められています。遺言書を正しく作成しないと、せっかくの遺言が無効とされることもありますのでご留意ください。

Q2: 自分で遺言書を作成しても問題ありませんか?

自筆証書遺言など、自分で作成できる遺言書もありますが、方式を守らなければ無効となるリスクがあります。例えば、訂正や変更が正しく行われていなかった場合、遺言書全体が無効となることもあります。また、法律に定められた方式に従っていても、内容に不備があればトラブルの原因となり得ます。専門家に相談することで、遺言書が確実に有効であることを確認できるため、安心です。

遺言の方式について

1. 遺言の形式とその重要性

遺言は、遺言者の意志を明確にし、それを確実に実行するための法的文書です。しかし、遺言が無効とされることがあるのは、その形式が民法に定められた基準を満たしていない場合です。例えば、自筆証書遺言では全文を自筆で書かなければならず、タイプされたものや他人に書かせたものは無効となります。また、遺言には署名と日付が必須であり、これらが欠けていると遺言書自体が無効とされることがあります。

但し、民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律(平成30年法律第72号。平成30年7月6日成立。)のうち自筆証書遺言の方式の緩和に関する部分が、平成31年1月13日に施行されました。同日以降に自筆証書遺言をする場合には、自筆証書によって遺言をする場合でも、例外的に、自筆証書に相続財産の全部又は一部の目録を添付するときは,その目録については自書しなくてもよいことになったことにご留意ください。

2. 共同遺言の禁止とその理由

共同遺言とは、二人以上が同一の証書で遺言を行うことを指します。たとえば、夫婦が一つの文書に互いの財産を相続させる旨を記載した場合です。民法ではこのような共同遺言を禁止しており、その理由として、相続開始後に利害関係が複雑化し、トラブルが発生しやすいことが挙げられます。したがって、夫婦であっても、それぞれが別々の証書で遺言を作成する必要があります。

3. 遺言書の加除変更とその手続

遺言書を作成した後、内容を訂正したり変更したくなったりすることはよくあります。この場合、遺言者自身が変更を行うことが求められ、民法に従って厳格な手続を踏む必要があります。具体的には、変更箇所に署名と押印をし、さらにその内容を明記しなければなりません。この手続を怠ると、その部分だけでなく、場合によっては遺言書全体が無効とされることがあります。たとえば、訂正が判読不能な場合や、訂正が遺言の主要部分に影響を与える場合です。

遺言書作成時に気を付けるべきポイント

1. 内容の明確化

遺言書の内容が曖昧であったり、解釈の余地があったりすると、相続人間での争いの原因となることがあります。特に、財産の分配に関する部分は具体的かつ明確に記載することが求められます。

2. 専門家への相談

遺言書の作成には法律的な知識が必要です。特に、相続に関しては法的に複雑な側面も多いため、専門家への相談が不可欠です。弁護士法人長瀬総合法律事務所では、遺言書の内容確認や、必要に応じたアドバイスを行っています。

3. 定期的な見直し

遺言書を一度作成しても、家庭環境や財産状況が変わることがあります。このため、遺言書は定期的に見直しを行い、その時点の意志を反映させることが重要です。見直しの際にも、法律に従った手続を守ることが必要です。

弁護士に相談するメリット

遺言書の作成は、単に書面を作成するだけではなく、法的な正確性を確保し、遺言者の意志を確実に反映させることが求められます。弁護士法人長瀬総合法律事務所に相談することで、遺言書の形式や内容が法的に有効であることを確認でき、相続開始後のトラブルを未然に防ぐことができます。また、弁護士が遺言執行者として指定されることで、相続手続が円滑に進むメリットもあります。

まとめ

遺言は、相続におけるトラブルを防ぐために重要な役割を果たします。しかし、遺言が無効とされてしまうと、遺言者の意志が反映されず、結果として相続人間での争いが生じる可能性があります。遺言を作成する際は、民法で定められた方式に従うとともに、弁護士などの専門家に相談し、正確かつ適切な手続を踏むことが求められます。


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