公正証書遺言の作成の流れとポイント

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はじめに

公正証書遺言は、遺言者の意志を確実に実現するために用いられる法的に強固な遺言の形式です。この遺言の形式は、公証人が関与して作成されるため、他の遺言形式に比べて信頼性が高く、法的効力も強いとされています。

しかし、その作成過程には多くの手続があり、一般の方にとっては理解しにくい部分もあるでしょう。

ここでは、公正証書遺言を作成する際の具体的な流れを解説し、加えて専門家に相談するメリットについても説明します。

Q&A

Q: 公正証書遺言を作成しようと考えていますが、具体的にはどのような手順で進めるのでしょうか?

A: 公正証書遺言は、公証人の立会いのもと公証役場で作成される遺言で、高い信頼性を持つ方法です。遺言の内容を確実に法的に保護したい方にとって、最適な選択肢と言えるでしょう。
作成手順は大きく分けて、遺言内容のヒアリング、必要資料の収集、遺言書案の作成、公証役場との事前協議と予約、そして作成当日の手続という5つのステップに分かれます。
また、公正証書遺言の内容については公証人が確認しますが、相続税や遺留分などの専門的な内容についてはアドバイスを行わないため、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。以下では、各手順について説明していきます。

公正証書遺言の作成手順

1. 遺言内容のヒアリング

まず、遺言者の希望や背景、相続財産の内容などについて、詳細なヒアリングを行います。これには、遺言を作成しようと考えた理由、相続人の人数や関係、財産の種類とその分配方法、さらには遺言書に追加したい付言事項などが含まれます。この初期段階でのヒアリングは、後々のトラブルを避けるためにも重要です。

2. 必要資料の収集

次に、公正証書遺言を作成するために必要な資料を収集します。これには、以下のものが含まれます。

  • 預貯金の通帳の写し
    遺産に含まれる現金や預金を確認するため。
  • 不動産の謄本
    不動産の所有権を証明するため。
  • 固定資産税評価証明書
    不動産の評価額を確認するため。
  • 戸籍謄本の写し
    遺言者と相続人の関係を確認するため。
  • 住民票の写し(遺贈を受ける場合)
    受贈者の住所を確認するため。
  • 印鑑証明書
    遺言者の実印で捺印するために必要で、有効期限は遺言作成日から遡って3か月以内となります。

これらの資料を揃えることは、遺言書の正確な作成と後々の法的トラブルを避けるために欠かせない手順です。

3. 遺言書案の作成

必要な資料が揃ったら、これを基にして遺言書案を作成します。遺言書の文案ができた段階で、遺言者に内容を確認していただき、必要に応じて修正を行います。この過程では、遺言者の意志が最大限に反映されるよう、細部まで確認しながら文案を練り上げていきます。また、遺言書の内容が法律に適合しているかを確認し、問題があれば修正を加えます。

4. 公証役場との事前協議と予約

遺言書案が確定したら、公証役場に連絡を取り、遺言書の内容と収集した資料を提出します。公証人がこれらを確認し、法的に問題がないかをチェックします。さらに、公正証書遺言を作成するためには、事前に日程を予約する必要があります。この段階で、遺言書作成日と時間を決定し、予約を行います。遺言書の作成には、証人2名が必要となるため、これらの準備も同時に進めていきます。

5. 公正証書遺言の作成当日

当日、公証役場にて遺言者と証人2名が集まり、遺言書を正式に作成します。この際、公証人が遺言書の内容を遺言者と証人に読み上げ、最終的な確認を行います。遺言者と証人がその内容に同意した場合、全員が署名・捺印することで、遺言書が正式に完成します。また、公証役場には報酬の支払いも必要です。これにより、遺言書は法的効力を持ち、遺言者の意志が実現されることが保障されます。

専門家に相談するメリット

公正証書遺言は、公証人が作成に関与するため、基本的に法的な不備が生じることは少ない形式です。しかし、公証人が遺言内容の具体的なアドバイスを行うことはありません。そのため、相続税や遺留分、予備的条項の設定など、法的かつ専門的な観点からのアドバイスを受けることが重要です。専門家に相談することで、遺言書の内容が遺言者の意志を最大限に反映し、後々の相続争いを避けるための万全の準備をすることができます。

弁護士法人長瀬総合法律事務所では、相続問題に精通した弁護士が遺言書の作成をサポートし、遺言者の意志を法的に保護します。公正証書遺言の作成を検討している方は、ぜひ当事務所にご相談ください。

まとめ

公正証書遺言は、遺言者の意志を法的に守るための最も信頼性の高い方法の一つですが、その作成過程は複雑であり、慎重な準備が必要です。専門家の助けを借りることで、遺言者の意志が確実に実現されるようにすることができます。弁護士法人長瀬総合法律事務所では、遺言書の作成から最終的な法的手続までサポートいたします。公正証書遺言の作成をお考えの際は、ぜひお気軽にご相談ください。


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