エンディングノートと遺言書は異なる?

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はじめに

人生の終わりを迎えるにあたり、残された家族や財産について整理しておくことは非常に大切です。近年、「エンディングノート」を活用する方が増えていますが、一方で法的な効力を持つ「遺言書」との違いが分かりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。この記事では、エンディングノートと遺言書の違いや、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。相続問題に悩んでいる方や、終活を考えている方はぜひ参考にしてください。

エンディングノートとは

エンディングノートとは、自分の死後に家族が困らないように、自分の意思や希望を記録するためのノートです。具体的には、金融資産や不動産の状況、預貯金通帳や保険証書の保管場所、葬儀の希望、そして家族へのメッセージなど、自由に書き記すことができます。形式に決まりはなく、誰でも手軽に書き始めることができるため、最近では葬儀社や信託銀行などでも積極的に紹介されています。

しかし、エンディングノートには法的な効力がありません。たとえば「長男に自宅を相続させる」と書いてあっても、それはあくまで個人の希望に過ぎず、法的にはその希望を実現することはできません。エンディングノートは、あくまで家族に対する自分の意思を伝えるための手段であり、相続に関しては遺言書とは異なる扱いを受けます。

遺言書とは

遺言書は、法律に基づいて財産分与や遺産相続に関する意思を明確に示すための法的文書です。遺言書には、公正証書遺言、自筆証書遺言、秘密証書遺言など複数の形式がありますが、いずれも法律に従って作成されるため、その内容に法的な効力があります。遺産分割に関しては遺言書に従うことが義務付けられ、遺族が遺言書の指示に反する行動をとることはできません。

遺言書には、誰にどの財産を相続させるかを明確に記載するだけでなく、相続人が先に亡くなってしまった場合に備えた「予備的条項」を記載することも可能です。たとえば、「長男が先に亡くなっていた場合は、その子供に相続させる」といった内容を記載することで、相続に関するトラブルを未然に防ぐことができます。

エンディングノートと遺言書の違い

エンディングノートと遺言書の大きな違いは、法的効力の有無です。エンディングノートは、個人の意思を自由に書き記すことができるものの、法的に拘束力はありません。したがって、家族がエンディングノートの内容を無視しても、法的にそれを強制することはできません。

一方で、遺言書は法律に従って作成されるため、法的な効力を持ちます。遺言書に記載された内容に基づいて遺産分割が行われ、相続人がその内容を無視することはできません。また、遺言書には一定の形式や証人が必要であり、その作成手続きには専門的な知識が求められます。

エンディングノートのメリット・デメリット

メリット

  • 自由度が高い:エンディングノートは特に形式が定められていないため、自由に自分の意思を表現できます。自分の思いや家族へのメッセージを書き記すことができ、家族に対する感謝の気持ちや、葬儀に関する具体的な希望を伝えることができます。
  • 書きやすい:誰でも簡単に作成でき、形式に縛られずに始められるため、気軽に取り組めるのが大きな魅力です。

デメリット

  • 法的効力がない:最も大きなデメリットは、法的効力がないことです。相続に関する指示が記載されていても、それに法的拘束力はなく、遺族がその内容に従う義務はありません。
  • トラブルの原因になり得る:エンディングノートに相続財産の分割方法の希望を書いても、遺族間で解釈が異なり、結果的に争いの原因となる可能性があります。

遺言書のメリット・デメリット

メリット

  • 法的効力がある:遺言書は法律に従って作成されるため、相続に関する指示に法的拘束力があります。これにより、遺産分割が円滑に進められ、遺族間の争いを防ぐことができます。
  • 遺産分割を明確に指示できる:誰にどの財産を相続させるか、また相続人が亡くなった場合にどうするかなど、詳細な指示を明確に記載できるため、相続に関するトラブルを未然に防ぐことができます。

デメリット

  • 作成手続きが複雑:遺言書の作成には法律的な知識や手続きが必要です。特に公正証書遺言や秘密証書遺言の場合は、証人や公証役場での手続きが必要であり、専門家の協力が求められます。
  • 費用がかかる場合がある:弁護士や公証人のサポートを受ける場合、作成に費用がかかることもあります。

弁護士に相談するメリット

遺言書の作成に際して、弁護士に相談することで得られるメリットは多岐にわたります。まず、相続に関する専門的な知識を持った弁護士が、法的に有効な遺言書を作成するためのサポートを行います。また、家族間のトラブルを防ぐためにも、弁護士による適切なアドバイスが有効です。

特に、予備的条項や複雑な相続に関する記載が必要な場合、専門家のサポートを受けることで、正確かつ法的に適切な遺言書を作成できます。弁護士法人長瀬総合法律事務所では、相続問題に関する豊富な経験を持った弁護士がサポートを行っておりますので、ぜひご相談ください。

まとめ

エンディングノートは、個人の意思を自由に伝える手段として便利ですが、法的な効力はありません。一方、遺言書は相続に関する法的拘束力を持つ重要な文書です。遺族間の争いを避けるためには、遺言書の作成が不可欠です。遺言書の作成に関しては、相続問題に詳しい弁護士に相談し、適切なサポートを受けることが大切です。弁護士法人長瀬総合法律事務所では、皆様の相続に関する悩みを解決するために専門的なアドバイスを提供しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。


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