成年被後見人が死亡した場合の留意点

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はじめに

成年後見制度において、成年被後見人の死亡に際して後見人がどのような業務を行うべきかについて、多くの疑問が寄せられています。特に、成年被後見人が亡くなった際に後見業務がどのように終了し、どのような手続が求められるのかは、家族や関係者にとって重要な問題です。

以下では、成年被後見人が亡くなった際の手続や成年後見人の責務について、よくある質問とその回答形式でわかりやすく説明します。なお、本文に基づく法的根拠は日本の民法や成年後見制度関連の法律に従っています。

Q&A

Q1:成年後見人の業務はいつまで続きますか?

A1:成年後見人の業務は、基本的には成年被後見人が亡くなるまで継続します。たとえ成年被後見人の財産処分など目的を達成しても、後見業務は自動的には終了せず、被後見人の死亡が確認されるまで継続します。

Q2:成年被後見人が亡くなった後、成年後見人が行うべき業務はありますか?

A2:成年後見人の業務は、成年被後見人が死亡した時点で終了します。ただし、民法第870条に基づき、後見人は死亡後2か月以内に財産管理の計算を家庭裁判所に報告する必要があります。また、財産目録などの書類を提出するのが通常の手続となります。

Q3:葬儀は成年後見人が行うべきですか?

A3:葬儀は成年後見業務には含まれません。葬儀は「祭祀を承継すべき者」が行うことが一般的です。ただし、実務上は、成年被後見人の最も近い存在である成年後見人が火葬手続などを行うこともあります。これは、民法第873条の2第3号に基づくものです。

Q4:成年被後見人が亡くなった後、成年後見人が財産管理を続けることはできますか?

A4:民法第873条の2により、成年後見人は一定の条件下で、相続財産を管理することが可能です。具体的には、相続財産の保存や、債務の弁済、必要に応じて火葬や埋葬の契約を行うことが許されています。ただし、火葬や埋葬の契約には家庭裁判所の許可が必要となります。

解説

成年被後見人が死亡した場合、後見業務は原則として終了します。しかし、財産管理の報告や火葬手続など、一定の手続が必要となる場合があります。特に、財産目録の提出や財産引継ぎの手続が重要です。また、相続人がいない場合や、相続財産の整理が必要な場合には、成年後見人が引き続き一定の範囲で財産管理を行うこともあります。

これらの手続は、家庭裁判所の指示に従いながら適切に進める必要がありますので、迷った場合には弁護士に相談することもご検討ください。

弁護士に相談するメリット

成年被後見人が死亡した際の後見業務や相続手続は、法律や家庭裁判所の規定に従う必要があります。弁護士に相談することで、これらの複雑な手続をスムーズに進めることができるほか、必要な書類の作成や報告業務の代行も依頼可能です。また、相続に関する争いが発生するリスクを軽減するためのアドバイスも提供されます。

まとめ

成年被後見人が亡くなった際、成年後見人の業務は終了しますが、財産管理の報告や相続財産の整理が求められる場合があります。これらの手続を確実に進めるためには、法律に基づいた適切な対応が重要です。困ったときは、弁護士法人長瀬総合法律事務所に相談することもご検討ください。


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