相続財産に不動産がある場合の代償金について

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はじめに

不動産ではなく代償金を取得したいと考えている方へ、代償金の支払いに関連する問題や対策について弁護士が解説いたします。例えば、実家の跡取りとなった長男が代償金を払うための金銭を持っていない場合、どのように解決できるのでしょうか。以下のQ&A形式で、相続における代償金の基本的な考え方と、実際にどのような選択肢があるかについてご説明いたします。

Q&A

Q:実家の跡取りとなった長男が、代償金を支払う余裕がない場合、どのように解決すればいいですか?

A:長男が両親と同居しており、そのまま実家の跡取りとして不動産の所有権を取得したいというケースはよくあります。しかし、長男が代償金を支払うための十分な現金や預貯金を持っていない場合もあります。このような場合、いくつかの選択肢があります。

まず、他の相続人が不動産を取得し、その後、長男がその不動産に住み続けるために使用貸借契約を結ぶ方法が考えられます。この契約により、長男はそのまま住み続けることができる一方、他の相続人は不動産を管理・所有する形となります。

また、同居していた長男が被相続人の生前に多額の贈与を受けていないか(特別受益)を確認する必要もあります。この確認をすることで、遺産分割時の公平性を保つことが可能です。

しかし、代償金の支払いは、遺産分割協議の一部であり、強制的に代償金を支払わせることは現実的には難しい場合があります。そのため、協議の段階でこうした問題を念頭に置いて進めることが大切です。

解説

不動産相続の際に、ある相続人が不動産を取得し、他の相続人に代償金を支払うケースは少なくありません。しかし、代償金の支払いが問題となる場面も多々あります。例えば、長男が不動産を相続したいが、代償金を用意できない場合です。

このような場合、代償金を他の相続人に支払うことが難しい場合でも、いくつかの法的手段があります。上記のように、使用貸借契約を活用して、長男がその不動産に住み続ける一方で、他の相続人が所有者となることで解決する方法があります。

また、特別受益の問題も遺産分割時に考慮されるべき重要な要素です。被相続人からの贈与が長男に対して特別に行われていた場合、その贈与額を相続分に加算して計算することで、公平な分割が可能になります。

代償金の支払いは、あくまで協議の中で調整されるべきものであり、強制的に行うことは法律上も難しいため、当事者間の協議が重要です。

弁護士に相談するメリット

代償金の支払い問題は、相続において非常に複雑で感情的な問題となることが多いです。弁護士法人長瀬総合法律事務所に相談することで、以下のようなメリットが得られます。

  1. 法的アドバイスを提供
    遺産分割や代償金に関する法的手続きを適切に進めるためのアドバイスを提供します。
  2. 公平な遺産分割をサポート
    特別受益の有無や代償金の額について、適正かつ公平な調整を図るための助言を行います。
  3. 協議の円滑化
    感情的になりがちな家族間の協議を、第三者として中立的に調整し、スムーズな解決を目指します。

まとめ

不動産を相続する際に代償金の支払いが問題となることがありますが、適切な法的手続きを踏むことで解決の道が見えてきます。代償金の支払い能力が不足している場合でも、使用貸借契約や特別受益の調整など、解決策は多岐にわたります。協議の段階でしっかりと話し合い、弁護士のサポートを受けることで、最適な解決策を探していきましょう。


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