はじめに
相続対策の一環として「遺言信託」という制度が注目されています。この制度を活用することで、遺言の内容を確実に実現し、相続人間のトラブルを防ぐことが可能です。本記事では、遺言信託の概要を詳しく解説し、そのメリット・デメリットをご紹介します。
Q&A
Q: 会社の経営をしていますが、相続が発生したときにトラブルを避けたいと考えています。「遺言信託」を利用すると良いと聞いたのですが、具体的にはどのような制度なのでしょうか?
A: 遺言信託は、信託銀行等が提供するサービスで、遺言書の作成から保管、遺言の執行までを一貫してサポートする仕組みです。この制度を利用することで、遺言内容が確実に実現されるため、遺産分割を巡る争いを防ぎやすくなります。
遺言信託とは
遺言信託とは、遺言者(被相続人)が生前に信託銀行等と契約を結び、遺言書の作成支援、保管、遺言内容の執行を依頼する仕組みを指します。以下の流れで進行するのが一般的です:
- 遺言書の作成
信託銀行が内容に関するアドバイスを行い、遺言者は公証役場で公正証書遺言を作成します。 - 遺言書や資料の保管
作成後の遺言書の正本や財産目録などの資料を信託銀行に預け、適切に保管してもらいます。 - 遺言執行
遺言者の死亡後、事前に指定された死亡通知人が信託銀行に連絡し、信託銀行が遺言執行者として財産分配などの手続きを行います。
このように、遺言信託は遺言書作成から執行までを包括的にサポートする仕組みです。
遺言信託のメリット・デメリット
メリット
- 遺言内容の確実な実現
信託銀行が遺言執行者として責任を持って対応するため、遺言内容が正確に実現されます。 - トラブルの予防
遺産分割方法を明確にすることで、相続人間の争いを防ぐことができます。 - 時間と手間の軽減
専門家が遺言執行を代行するため、相続人が複雑な手続を行う必要がありません。 - 安心感の提供
遺言書の保管や執行が適切に行われるため、遺言者は安心して財産分配の意思を表明できます。
デメリット
- 費用がかかる
信託銀行の手数料や保管料が発生します。初期費用や執行手数料が比較的高額になることがあります。 - 個別の柔軟な対応が難しい場合も
信託銀行では、複雑な法的問題や非標準的な相続内容には十分に対応できないことがあります。 - 契約内容の制約
契約内容に縛られるため、遺言者が新たな事情を反映したい場合に対応が難しくなる可能性があります。
弁護士に相談するメリット
遺言信託を利用する際、弁護士に相談することで得られる利点は次の通りです:
- 専門的なアドバイス
弁護士は法律の専門家として、遺言内容が法的に適切であるかを確認します。不備があれば修正し、法的トラブルを未然に防ぎます。 - 柔軟な対応
信託銀行が対応しづらい特殊な相続問題についても、弁護士なら個別事情に応じた柔軟な解決策を提案できます。 - 遺言執行の代行
弁護士は遺言執行者として、専門的かつ中立的な立場で相続手続を代行します。これにより、相続人間の摩擦を最小限に抑えることが可能です。
弁護士法人長瀬総合法律事務所では、遺言に関する初回相談を無料で受け付けています。お悩みの方はお気軽にご相談ください。
まとめ
遺言信託は、相続問題をスムーズに解決するための有効な手段です。特に信託銀行の支援を受けることで、遺言内容の確実な実現が可能となります。しかし、その一方で費用や柔軟性の問題もあるため、弁護士に相談しながら最適な手段を検討することをおすすめします。
弁護士法人長瀬総合法律事務所では、遺言の作成から執行までサポートしています。法律の専門家として、安心・確実な相続対策を提供いたします。
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