公正証書遺言の作成で被相続人の希望する遺産分割を実現

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相談前の状況 

相談者は高齢の男性で、長年連れ添った妻と成人した子供がいました。退職後は自宅で穏やかに過ごしていましたが、自分の遺産について真剣に考えるようになりました。彼の主な財産は自宅と一定の預貯金があり、それをどのように分けるかについて、明確な希望を持つようになっていました。

相談者は、長年家庭を支えてくれた妻には感謝の気持ちを表したいと考えており、妻が安心して暮らせるだけの財産を確保してあげたいという強い思いがありました。また、子どもたちに対しても、成人後も近くに住み、折に触れて面倒を見てくれたことから、感謝の念を持っており、公平な形で相続を進めたいと考えていました。しかし、実際にどのような遺言書を作成すれば、自分の希望を確実に反映させることができるのか、そして遺産分割が後で争いにならないかという点に不安を抱えていました。

特に心配していたのは、妻と子供の間で遺産分割について意見が食い違った場合や、自分の判断能力に関して後々異議が出される可能性でした。遺言書の内容が無効になるリスクや、相続人間で争いが発生することを避けたいと考え、遺言書の作成について専門家に相談することを決めました。

相談後の対応 

相談を受けた弁護士は、まず相談者の希望を詳しくヒアリングしました。相談者は、自分が亡くなった後に、妻が生活に困らないように十分な財産を受け取れること、そして子どもたちにも公平な形で遺産を分けることを強く望んでいました。弁護士は、相談者の希望を最大限に実現するための方法として、公正証書遺言の作成を提案しました。

公正証書遺言は、遺言者の意思を明確に公証人に伝え、書面として残すことで、遺言の有効性を担保する有効な手段です。これにより、後日遺言が無効だと争われるリスクが低減します。公証人の立会いのもとで作成されるため、遺言の内容が明確であり、相続人間での争いが起きにくいことが特徴です。

さらに、相談者が高齢であったことから、遺言作成時の判断能力について後々異議を唱えられる可能性も考慮しました。判断能力に問題があれば、遺言の有効性が問われることになります。そこで弁護士は、遺言書作成前に、医師による認知症診断を受けておくことを提案しました。これにより、相談者が遺言作成時に十分な判断能力を有していたことを証明でき、後に遺言の有効性が争われる可能性を低減することが可能となります。

相談者は、弁護士の提案に基づき、まず認知症診断を受け、医師から「判断能力に問題なし」との診断書を取得しました。この診断書が後の遺言の信頼性を高める大切な証拠となります。その後、弁護士と相談者は、具体的な遺産分割の内容について詳細に検討を進めました。

遺言内容が決定した後、弁護士は公証役場での手続きを手配しました。公正証書遺言は、相談者が公証人の前で遺言の内容を確認し、自らの意思で作成されたものであることを証明します。こうした手続きにより、遺言書の有効性がさらに確保され、後日その信憑性が争われる可能性が極めて低くなります。

最終的に、相談者は無事に公正証書遺言を作成し、妻と子どもたちに対して公平かつ適切な遺産分割が実現される見込みとなりました。遺産分割がスムーズに進むことが期待され、相談者自身も安心して今後の生活を送ることができました。

担当弁護士からのコメント 

今回のケースは、高齢の相談者が自らの意思を確実に遺言書に反映させ、将来の相続トラブルを回避するための重要な取り組みでした。特に高齢の方の場合、遺言作成時の判断能力が争点になることが多く、そのための対策として医師による認知症診断を事前に受けることは有効です。これにより、遺言書の有効性を確保し、相続人間の争いを未然に防ぐことができます。

また、公正証書遺言の作成は、公証人の立会いのもとで行われるため、後日遺言書の有効性を争われる可能性が低くなります。相続に関する争いが頻繁に起こる現代において、公正証書遺言は被相続人の意思を最大限に尊重し、円滑な遺産分割を実現するための有力な手段です。

今回、相談者は公正証書遺言の作成を通じて、自身の意思を確実に反映させることができました。これにより、相続人同士の争いを防ぐだけでなく、家族全員が安心して今後を迎えられる結果となりました。私たち法律事務所は、今後もこうした遺産相続に関するご相談に対し、最適な法的サポートを提供していきたいと考えています。


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